2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18200019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹村 彰通 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (10171670)
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Keywords | マルコフ連鎖モンテカルロ法 / トーリックイデアル / グレブナー基底 / 条件つき検定 / 超平面配置 |
Research Abstract |
本研究では平成21年度および平成22年度繰越期間に,研究代表者および連携研究者によって多くの研究成果を得た.具体的な研究成果としては以下のものがあげられる. 1)分割表に対する階層モデルの部分モデルの提案 多元の分割表のモデルとしては,階層モデルがもっとも基本的であるが,階層モデルはパラメータ数が多いために,高次の交互作用を何らかの形で特殊化してモデルの次元を減らすことが望ましい.その際に,階層モデルが持つ条件つき独立性の構造や尤度の局所化の性質を保持したままでモデリングすることが自然である.原・清・竹村は,この問題に対してhierarchical subspace modelという新たな統一的な枠組みを提案し,このモデルの数学的な性質を明らかにした. 2)ランキングモデルへの超平面配置理論の応用 紙屋・竹村・寺尾は,これまでランキングモデルへの超平面配置理論の応用の研究を進めてきた.すでに一次元のunfolding modelについては結果が得られていたが,新たに余次元が1という他の極端な場合について,ランキングのパターンの数を与えることに成功した.ランキングのパターンを数える問題は,一般的には曲面の配置の問題となり,数学的には非常に難しいが,余次元が1の場合は超平面配置の枠組みが適用できることがわかり,この場合について新たな結果を得た. 3)マルコフ連鎖モデルのhomogeneity(斉時性)の正確検定のためのマルコフ基底の導出 竹村・原は,マルコフ連鎖モデルからパスが複数観測される場合に,homogeneityすなわち推移確率が時刻によらないことの帰無仮説の正確検定のためのマルコフ基底を,状態数が少ない場合や期間が短い場合について求めた.一般の場合のマルコフ基底は今後の課題である. 以上の研究成果は,それぞれtechnical reportの形で発表され,現在国際雑誌に投稿中である.
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Research Products
(12 results)