2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18200023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平野 丈夫 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (50181178)
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Keywords | シナプス / 小脳 / プルキンエ細胞 / 顆粒細胞 / 長期増強 / 培養 / グルタミン酸受容体 / スパイン |
Research Abstract |
本研究では、哺乳類中枢神経系の単一シナプスの機能と形態の動態を明らかにし、その制御機構の解明をめざしている。中枢シナプスのはたらきは、その使用状況により維持・強化・減弱されるが、個々のシナプスレベルで何が起こっているかは明らかになっていない。シナプスを形成する一対の培養神経細胞に異なる波長の蛍光色素を導入し、高解像度のレーザー顕微鏡によるシナプス前後部両者の形態観察と電気生理学計測を組み合わせ、各シナプスが無刺激・高頻度刺激等の様々な状況に応じて、その機能および形態をいかなる時間経過でどのように変化させるのか解析している。本研究では、細胞種の同定が容易な小脳の顆粒細胞とプルキンエ細胞間のシナプスに注目し、顆粒細胞には蛍光蛋白質のGFPを発現させ、シナプス後プルキンエ細胞にはAlexa594をガラス電極より注入し、シナプスを形成している一対の神経細胞を可視化した。軸索での活動電位発生をテトロドトキシンで抑えた状況で顆粒細胞シナプス前終末付近を局所電気刺激することにより、少数シナプスでの伝達を記録できた。また、高頻度刺激によりシナプス伝達の長期増強を引き起こした。シナプス後部があるプルキンエ細胞のスパイン形態が、刺激によりいかなる形態変化をするかも解析し、神経刺激によりスパインの動きが変化することを観察した。また、シナプス後部において伝達制御に関わるタンパク質リン酸化酵素のPKCαの動態を調べ、PKCαが神経刺激によりカルシウムイオン依存的に細胞膜へ移行すること等を論文報告した。
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