2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型臓器を持つマウスの樹立とヒト疾患制御法の開発
Project/Area Number |
18200028
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
米川 博通 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (30142110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多屋 長治 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (90175456)
小原 道法 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (10250218)
習田 昌裕 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10356256)
設楽 浩志 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
石井 里絵 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (00425688)
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Keywords | SCID-Huマウス / TRECK法 / ヒト肝実質細胞 / HCV / 移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、免疫重度不全マウス(SCIDマウス)に、肝実質細胞を標的とした標的細胞ノックアウト(TRECK)法を施し、ジフテリア毒素によって破壊されたマウスの肝実質細胞をヒト肝実質細胞に徐々に置換し、最終的にマウス個体内に正常な肝機能を持つヒト肝実質細胞の集団を構築することである。このヒト肝実質細胞置換マウスを、最終的には創薬、あるいは薬物動態研究に利用したい。 TRECK法は、マウスがジフテリア毒素に耐性であることを利用して、ヒトのジフテリア毒素(DT)レセプターをある細胞系列特異的に強制発現するマウスを作製し、DTを投与することにより標的とする細胞を傷害する方法である。この方法によれば、任意の時期かつ定量的に標的細胞群にダメージを与えることができる。これまでに、アルブミンプロモーターを用いて肝実質細胞を傷害する肝炎モデルマウスを、重症複合免疫不全(SCID)をバックグラウンドとして作製した。昨年度はDTの投与により肝障害を誘発後のマウスにヒト臍帯血由来の未熟細胞を移植したところ、肝組織内にヒト肝実質細胞が検出され、ヒト肝幹細胞の探索・同定に有用であることを示した。しかし、この様な未熟細胞では、目的とするヒト肝実質細胞による高密度置換は起こらなかった。そこで、今年度は市販されているヒト培養肝細胞を用い、肝障害を誘発したマウスへのヒト肝実質細胞の移植を行った。移植後、経時的に血中にヒトアルブミンの検出をELISA法で行った結果、微量ではあるがヒトアルブミンが検出されるようになった。このことは、TRECK法においてもマウスの肝実質細胞をヒト細胞で置換できる可能性を示した。現在、ヒト肝実質細胞がより高密度で置換される条件を検討中である。
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