2008 Fiscal Year Annual Research Report
微小循環から見た人工心臓の最適流れ状態に関する総合的基礎研究
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18200029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井街 宏 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 客員教授 (10010076)
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Keywords | 微小循環 / 人工心臓 / 拍動流 / 連続流 / 波動型完全人工心臓 / 微小循環観察プローブ / 血管新生 / Scaffold |
Research Abstract |
本研究は人工心臓の流れ状態が生体の末梢循環にどのような影響を及ぼすかを調べ最適の流れ状態を確定することを目的にしており、そのための人工心臓の改良、観察プローブの開発、改良およびこれらを用いた動物実験が研究の主体となる。本年度は以下の研究成果を得た。 1) 人工心臓の開発、改良 ・デザイナーと共同で工業および医療デザインの見地から波動型完全人工心臓の第5次モデルを作製し、ヤギに埋め込んでフィッティングが良好であるごとを確認しだ。 2) 微小循環観察プローブ ・観察対象別に倍率を変えたカメラの開発を行った。 3) 動物実験 ・波動型完全人工心臓をヤギに埋め込んで153日生存させることに成功した。 ・この間人工心臓は1/R制御下に拍動流で駆動したが51日目から53日目、および54日目から56日目までは連続流に切り換え、血行動態や腎機能、肝機能への影響を調べた。 ・その結果、1/R制御下では血行動態や臓器機能に影響は現れないことがわかった。 ・しかし、連続流への切り換え前後24時間の連続計測データを周波数解析したところ1/fゆらぎと高周波数領域(HF)および低周波数領域(LF)のピークが観察され、ことにLF領域のピークは拍動流のほうが顕著に大きいことが判った。 ・微小循環プローブの埋め込みではポリグリコール酸とポリエステルベルーアを皮下に埋め込みその表面への組織と毛細血管網の新生の観察に成功した。
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Research Products
(3 results)