2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境トレーサビリティー法を用いた陸域-淡水域生態系変化の原因解明
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18201004
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
中野 孝教 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, 教授 (20155782)
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Keywords | トレーサビリティー / ストロンチウム同位体 / ネオジミウム同位体 / 鉛同位体 / 淡水環境 / 陸域環境 / 環境動態 / 物質循環 |
Research Abstract |
本研究の目的は、各種の安定同位体を用いて地球環境におけるの物質の流れを追跡し、生態系への影響を評価する環境トレーサビリティー技術を開発することにより、新たな環境動態研究の創出することにある。過去三年間の研究により開発された技術の熱水や淡水および土壌生態系に応用した。 1.Sr同位体をトレーサーに熱水鉱床や花崗岩の研究に応用した結果、および堆積物の年代測定に応用した結果をまとめ投稿した。 2.淡水魚のSr同位体組成から生活様式を復元できる可能性があること、また鳥の骨のSr同位体組成が生息場所を判定できることが明らかとなった。これらの成果をまとめ投稿した。 3.海底湧水においては、海水のわずかな寄与によってもSr同位体組成が変化するが、詳細な分析によれば岩牡蠣に対する淡水の寄与は、最大でも30%程度である可能性が指摘された。 4.稲やしょうがのSr-Nd-Pbの安定同位体組成は、中国産と日本産で異なっており、Sr-Nd同位体組成は中国の黄土に、いっぽう鉛同位体組成は大気の値に一致することが明らかとなった。 5.縄文時代の人骨のSr同位体組成が、産地推定のマーカーになること、骨の構造から推定された社会構造や生活様式と良い相関がみられることを報告した。また高精度のSr同位体組成分析から日本海と瀬戸内海の違いを識別できる可能性が示唆される結果を得た。 6.土壌動物のSr同位体組成が、従来言われていた生活様式に応じて変化する傾向が明らかとなった。 7.水のマルチ同位体組成が、地下水管理に利用できる可能性が明らかとなった。
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[Journal Article] Reverse Evolution of Armor Plates in the Threespine Stickleback2008
Author(s)
Kitano, J., Bolnick, D., Beauchamp, D. A., Mazur, M. M., Mori, S., Nakano, T.
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Journal Title
Current Biology 18
Pages: 764-774
Peer Reviewed
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[Journal Article] Nitrogen stable isotopic signatures of basal food items, primary consumers and omnivores in rivers with different levels of human impact., Ecological Research, Ecol Res (2009) 24 : 127-1362008
Author(s)
Kohzu, A., Tayasu, I., Yoshimizu, C., Maruyama, A., Kohmatsu, Y., Hyodo, F., Onoda, Y., Igeta, A., Matusi, K., Nakano, T., Wada, E., Nagata, T., Takemon, Y.
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Journal Title
Ecological Research 24
Pages: 127-136
Peer Reviewed
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