2006 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海流域から海洋への陸域地下起源物質の不均一・非定常な流出機構の定量的評価
Project/Area Number |
18201007
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 正人 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (70117232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 隆司 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70112167)
堀越 孝雄 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (00094102)
於保 幸正 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80152560)
小野寺 真一 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 助教授 (50304366)
高橋 英博 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 近畿中国四国農業研究センター, 主任研究員 (30414783)
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Keywords | 瀬戸内海 / 地下起源物質 / 不均一 / 非定常 / 流出 / リン / シリカ / 重金属 |
Research Abstract |
本研究は、閉鎖性海域への陸域地下起源物質の不均一・非定常な流出機構を定量的に評価し、海洋への影響評価を行うことを目的として、研究を行った。本年度は、瀬戸内海に流入する芦田川流域における現地調査を中心に、遂行した。成果は下記の通りである。 1)源流域スケールでの不均一性として、地質(岩質、割れ目系)、海洋からの距離、地形(勾配、標高)に起因する自然的背景の不均一性、土地利用、大気汚染降下物といった人為的不均一性の影響を総合的に明らかにした。 (1)今年度は、特に硫黄同位体を利用した結果、起源の異なる大気汚染の影響、岩質由来、海塩由来、肥料由来の分離がなされた。 (2)シリカ、リンの起源として岩盤由来の成分が確認された。 2)流出に関する非定常性として、洪水流出の影響、河川-地下水相互流出、ダム建設影響を明らかにした。 (1)洪水時の影響については、懸濁物質が流量の2乗に比例したが、溶存成分については、流量に比例することが確認された。 (2)地下水流出はほぼ一定で流出するのに対して、河川流出の変動は大きかった。また、急勾配地域では、地下水流出の割合が多く、栄養塩流出も多いことが確認された。 (3)ダムの建設にともなって、シリカの流出量は減少したが、リンについては変化がみられなかった。 以上の成果は、5回の研究検討会で議論し、4件の論文発表(12で記述)、8件の国内学会発表、2件の国際会議発表を通して、報告した。また、試験流域において公開シンポジウムを主催し、一部発表した。
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