2009 Fiscal Year Annual Research Report
放射線発がんプロセスにみられる遺伝子変異と発がん宿主要因の遺伝解析
Project/Area Number |
18201009
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
木南 凌 Niigata University, 医歯学系, 教授 (40133615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三嶋 行雄 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30166003)
葛城 美徳 新潟大学, 医歯学系, 助教 (60401759)
広瀬 哲史 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10415276)
小幡 美貫 新潟大学, 医学部, 教務職員 (00420307)
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Keywords | 放射線ターゲット細胞 / 放射線発がん初期過程 / Bcl11b / 癌細胞幹細胞 / 腸管腫瘍 / β-カテニン |
Research Abstract |
1.Bcl11b機能低下による異常増殖細胞出現の促進:放射線照射後早い段階の萎縮胸腺にクローナルな細胞由来の異常増殖細胞が出現し、その細胞はBcl11bのLOHがみられる。これは、Bcl11b遺伝子の機能低下が胸腺リンパ腫の発症過程に重要な役割を果たすと考えられる。実際、Bcl11b^<KO/+>マウスはリンパ腫感受性を示す。そこで、Bcl11b^<KO/+>マウスに3Gy 1回のガンマ線照射を行い、萎縮胸腺細胞の解析を行った。その結果、分割照射した野生型マウスの解析結果と同様に、クローナル増殖を示し、DP分化段階まで分化した異常増殖細胞が約半数に見られた。しかし、分化が未分化な(CD4-CD8-)DN段階で停止している胸腺細胞も一部に見られた。分化停止した胸腺細胞の出現は、照射後時間が経つにつれて増加した。 2.放射線照射後増殖するクリプト内細胞の動態:Bcl11bは腸管クリプト内の幹細胞およびTA細胞に発現し、Bcl11b-KO/+遺伝子型を導入したApc-min/+マウスは腸管腫瘍発症を促進し、照射後は腫瘍数をさらに増大させる。そこで、12Gy、1回全身照射による、腸管細胞の回復を検討した。照射後1日(形態学的に損傷がはじまる前)では、クリプトでのβ-カテニン染色性は著しく低下していた。Ki-67染色(増殖マーカー)では、照射後陽性細胞は減少するが、Bcl11b-KO/+マウスの方が明らかに多くの細胞が強く染色されており、BrdUの取り込み実験でも同様の結果であった。これはBcl11bが細胞増殖の負の転写調節因子であることの反映と考えられる。照射後4日(回復、再生期)では、Bcl11b-KO/+マウスのクリプトでKi-67(+)細胞数が多く観察され、クリプトの回復、再生期像も強くみられた。これらの結果は、組織再生が(恐らく異常に)亢進するためだと考えられる。
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[Journal Article] Clonally expanding thymocytes having lineage capability in γ-ray induced mouse atrophic thymus.2010
Author(s)
Yamamoto T, Morita S, Go E, Obata M, Katsuragi Y, Fujita Y, Maeda Y, Yokoyama M, Aoyagi Y, Ichikawa H, Mishima Y, Kominami R.
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Journal Title
Int.J.Radiation Oncology Biol Phys 77(1)
Pages: 235-243
Peer Reviewed
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[Journal Article]2009
Author(s)
Ryo kominami
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Journal Title
γ-Ray-Induced mouse Thymic Lymphomas : Radiation Health Risk Sciences(Bclllb Inactivation and Prelymphoma cells.)(Springer Library of Congress Control)
Pages: 232-239
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