2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁化活性汚泥法〜磁気分離を活用した生物学的水処理法の新展開
Project/Area Number |
18201011
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 保蔵 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70186998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯村 兼一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10272220)
荷方 稔之 宇都宮大学, 工学部, 助手 (30272222)
梅津 一孝 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20203581)
井原 一高 神戸大学, 農学部, 助手 (50396256)
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Keywords | 水処理 / 磁化活性汚泥法 / 磁気分離装置 / 微生物 / 高度処理 / 脱水 / 磁石円板 / フェノール |
Research Abstract |
磁化活性汚泥法は活性汚泥微生物に強磁性粉であるマグネタイトを吸着させ、磁気分離を利用する生物学的水処理法である。実験室における基礎的な研究から、8m^3の曝気槽をもつ磁化活性汚泥法パイロットプラントを利用した実証研究まで幅広く研究を推進した。1)低温条件下での高度処理を目標に低温条件でのアンモニア性窒素の硝化活性を調べた。磁化活性汚泥法は余剰汚泥を引き抜かないため硝化菌の増殖に有利であり、15℃以下でも十分な硝化活性をもつことがわかった<41回水環境学会>。2)磁気分離はフロック形成菌を優先的に回収し、糸状菌を通過させる選択分離性を有するためバルキング抑制効果が働く。そこでバルキングを起こしやすい模擬排水を磁化活性汚泥法で処理したところ、バルキングストレスに対して、糸状菌を抑制しながら水処理を継続できることがわかった<同上>。3)汚泥滞留時間が原理的に無限大となるため磁化活性汚泥法は生物膜法のように排水に順応した菌を長期間曝気槽に保持できると予想される。フェノールと酢酸を主成分とする異種の排水を一定期間ごとに交互に投入したところ、フェノールや酢酸の分解活性を保持できていることがわかった。長周期の排水種類の遷移に対しても安定した水処理が期待できる<同上>。4)汚泥のコンポスト化において濃縮・脱水工程は手間とコストを要するプロセスである。磁気分離の活用を検討したところ汚泥の濃縮・脱水を高効率化できる可能性が明らかとなった<同上>。パイロットプラントを用いて、実用規模に近い磁気分離装置の検討をおこなった。磁石円板を並べた多円板タイプの磁気分離装置は磁石ドラムタイプのものよりコンパクトで、高効率で磁気分離をおこなえることが示された<同上>。 新しい水処理技術として、図書・解説論文(2)、学会発表・講演等(30件)、展示会(2件)、企業等の見学受入(15社)等、成果の公開をおこなった。
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Research Products
(2 results)