2007 Fiscal Year Annual Research Report
水熱ナノプロセスによる固体廃棄物のリサイクルと資源回収に関する研究
Project/Area Number |
18201012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 秀章 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 教授 (60109270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 亮 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (60314051)
板倉 剛 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 特任助教 (20402498)
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Keywords | 水熱ナノプロセス / 資源回収 / 無機固体材料 / 無機廃水 / 水熱酸化 / 水熱鉱化 |
Research Abstract |
平成19年度は,平成18年度に行った研究の完遂に加え,以下に示す項目に関して研究を進め成果を得た. 1.水熱鉱化法による有害無機オキソ酸陰イオンを含む廃水の無害化及び資源回収 有害無機オキソ酸陰イオンとして,リン・セレン・テルル・クロム・モリブデン・タングステンを対象として,鉱化剤(カルシウム系やバリウム系)とともに水熱処理を行うことにより,リンは価数によらずリン酸カルシウムとして,セレン・テルルは現行では困難な6価のセレンやテルルをバリウム塩として,重金属オキソ酸についてはカルシウム塩として回収が可能であることを明らかとした.しかしながら,一部の元素についてはバッチ処理では排水規制値を下回ることはできなかった. 2.水熱条件下での固液分離の実現と完全無害化 水熱条件下で固液分離できる装置を用いて,上記の有害無機オキソ酸陰イオン含有排水に対して処理を行ったところ,すべての元素に対して規定されている排水規制値を下回ることに成功した.このことは,水熱条件下では鉱化剤との反応により生成された鉱物が非常に低い溶解度を有しているためであることを示唆するものである.また,この結果は,水熱条件下での固液分離を連続的に行うことで,水熱鉱化排水処理法を流通で行うことができることを示すものであり,実際の排水処理で必要な大量な廃水の処理が実現可能であることを示している.
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