2006 Fiscal Year Annual Research Report
難分解性有機塩素化合物の酸化分解促進を目的とした腐植酸の高機能化
Project/Area Number |
18201013
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福嶋 正巳 北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40344113)
|
Keywords | 環境技術 / 環境材料 / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 超分子化学 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
鉄-ポルフィリン触媒を腐植物質のモデル化合物であるシクロデキストリンを包接させた超分子触媒を調製し、その安定性の評価を行った。その結果、鉄-ポルフィリン触媒の自己分解は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンとの包接錯体の形成により、pH4-6の範囲で大幅に抑制出来ることがわかった。この超分子触媒を、ペンタクロロフェノール(PCP)汚染土壌へ適用したところ、85%以上のPCPを除去することができ、25%程度のPCPが二酸化炭素にまで完全無機化した。ゆえに、超分子の生成は、触媒の安定化に寄与するだけではなく、触媒活性の大きな向上にも繋がることを明らかにした。また、ストップドフロー分光法により、腐植物質のような有色色素共存下での鉄-ポルフィリン触媒の安定性評価法を確立した。さらに、腐植物質中のカルボキシル基へ、アミノ基を導入した鉄-ポルフィリン触媒をアミド結合にて導入する方法を確立した。しかし、アミド結合は安定ではなく過酸化物共存下で容易に加水分解してしまうため、鉄-ポルフィリン触媒を安定化するには至らなかった。そこで、腐植物質中のフェノール性水酸基の部位にハロゲン化アルキルを導入した鉄-ポルフィリン触媒をエーテル結合にて共有結合させる新たな方法を開発した。現在は、3種類のヒドロキシフェニルポルフィリン-鉄錯体について2種類のアルキル鎖を介して腐植物質へのエーテル結合を行った。さらに、エーテル結合部位となる腐植物質中のフェノール性水酸基の量を増加させるため、腐植物質の酸化前処理によるヒドロキシル化、および、試薬由来のフェノール性水酸基のアルドール縮合による付加を試みた。
|
Research Products
(4 results)