2006 Fiscal Year Annual Research Report
水熱反応を用いた超低環境負荷・高機能メソ多孔体-ナノゲートマテリアル-の合成
Project/Area Number |
18201014
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 秀輝 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (10396468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井奥 洪二 東北大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (60212726)
前田 浩孝 東北大学, 大学院環境科学研究科, 助手 (20431538)
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Keywords | 環境材料 / ナノ材料 / 人間生活環境 / 二酸化炭素排出削減 / 多孔体 |
Research Abstract |
本研究では、地球内部で起こっている続成作用のメカニズムを工学的に応用した200℃程度の水熱合成法を用いて、ナノ細孔(3-20nm)を有するセラミクス固化体の低環境負荷合成による高機能環境親和材料(調湿素材)の検討を行っている。本年度は、各種セラミクス素材を用いて目的とする多孔体合成の可能性とその制御因子の検討を行った。CaO-SiO_2-H_2O系では、主にトバモライト(5CaO・6SiO_2・5H_2O)を主相とした多孔体を合成することが可能であるものの、SiO_2供給源などにその性能は大きく影響されることが明らかとなった。 CaO-SiO_2-Al_2O_3-H_2O系の水熱合成において、これまでにハイドロガーネット(Ca_3Al_2(SiO_4)(OH)_8)が生成することで、水熱固化体の強度発現を阻害することが報告されている。しかしながら、本研究では、出発原料に汎用的なメタカオリナイト(Al_2O_3・2SiO_2)を用いて、成型圧を制御することにより、水熱固化中に生成するハイドロガーネットの大きさや形状を制御し、水熱固化体の強度発現因子として作用することを見出した。また、窒素ガス吸着法により、作製した水熱固化体は、ナノ細孔を多数有するものであり、成型圧の制御により、容易に水熱固化体の細孔の大きさや容量を制御することが可能となった。また、一定湿度に保持した容器内に試料を導入し、温度変化による湿度変動を調べたところ、ほとんど湿度変動は見られず、調湿性能が示された。さらに、一定温度に保持した容器内の湿度変動に対して、迅速に試料が水蒸気を吸収、あるいは、放出することも見出した。
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