2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
真島 豊 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (40293071)
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Keywords | ナノプローブ / 磁性 / 走査プローブ顕微鏡 / ローレンツ力 / 磁気記録 |
Research Abstract |
本研究では、外部磁場を印加することが可能な磁場印加走査型ローレンツ力顕微鏡(Scanning Lorentz Force Microscopy, SLFM)を新たに研究開発し、磁性媒体などに外部磁場を印加した際の磁気分布像を数十nmの水平分解能で凹凸像と同時に観察することを目的としている。具体的には、非磁性の導電性カンチレバーを使用することにより外部磁場を印加した際の磁区分布を観察することが可能であるというSLFMの特徴を活かし、試料に対して外部磁場を試料にそれぞれ印加した際のサンプルの磁区構造の変化をその場観察する磁場印加SLFMを新たに構築し、本手法を磁気分布像の観察手法として確立することを目的とする。平成18年度は、磁場印加走査型ローレンツ力顕微鏡装置を設計し、装置を組み上げ、基本動作の確認を行った。簡易真空コンタクト原子間力顕微鏡の構成をベースとし、水平方向に2軸でそれぞれ5kOeの磁場を印加できる磁場印加走査型ローレンツ力顕微鏡の開発を行い、装置ならびに制御・測定系新たに構築した。共振周波数にてカンチレバーが振動した状態でカンチレバーを走査し、試料表面の凹凸とローレンツカによるカンチレバーの変位を、4分割フォトダイオードによりA-B信号(直流)、C-D信号(交流)としてそれぞれ検出し、前者をフィードバック及びサンプル表面凹凸像に、後者をロックインアンプによって共振周波数成分を取り出すことでSLFM像として画像化できる装置構成を採用した。本研究により導入された磁場印加走査型ローレンツ力顕微鏡の基本動作の確認として、導電性カンチレバーの共振周波数に相当する交流電流(数十μA)を流し、外部磁場を加えた際に、ローレンツ力によってカンチレバーが横方向に振動し、その振幅は外部磁場に比例すること、ならびに振動の位相は外部磁場方向によって反転することを確認した。
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