2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201016
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
真島 豊 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40293071)
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Keywords | ナノプローブ / 磁性 / 走査プローブ顕微鏡 / ローレンツカ / 磁気記録 |
Research Abstract |
平成19年度は、走査型ローレンツカ顕微鏡に関する基本特許を取得した。研究としては、18年度に設計・構築した磁場印加走査型ローレンツカ顕微鏡(SLFM)を用いて外部磁場を印加した際の磁化反転特性をグレイン単位で観察する新しい磁気イメージング手法として確立することを目指した。本研究で研究開発している磁場印加走査型ローレンツカ顕微鏡は簡易真空コンタクト原子間力顕微鏡の構成をベースとし、水平方向に二軸で磁場を印加できる装置であり、制御・測定系新たに構築している。具体的には、導電性カンチレバーの共振周波数(〜700kHz)に相当する交流電流(数十μA)を流し、ローレンツカによってカンチレバーを振動させる。共振周波数にてカンチレバーが振動した状態でカンチレバーを走査し、試料表面の凹凸とローレンツカによるカンチレバーの変位を、4分割フォトダイオードによりA-B信号(直流)、C-D信号(交流)としてそれぞれ検出し、前者をフィードバック及びサンプル表面凹凸像に、後者をロックインアンプによって共振周波数成分を取り出すことでSLFM像として画像化する。SLFMでは、導電性カンチレバーとサンプルの間に電流を流す必要がある。ハードディスクのサンプルに電流を流すために、表面処理を施し、その後に金を蒸着することによりスキャン中に安定して電流を流せるようにした。観察したSLFM像には、一部のビットが観察されていると考えられる、カンチレバー横方向共振振幅Rcos θの符号反転が見られた。しかしながら、蒸着した金表面の凹凸がSLFM像に影響を及ぼしており、また金が反磁性材料であることから一部分のビットしか観察できていない。最終年度である平成20年度は金属材料の選定、蒸着方法の改善等を行うことにより、磁場中でのハードディスクの磁化反転特性を、SLFMを用いて観察する手法を確立する。
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