2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドットを用いたオプティカル電気化学測定法の開発
Project/Area Number |
18201022
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑畑 進 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40186565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 泰宏 大阪大学, 大学院工学研究科, 講師 (30359856)
小谷松 大祐 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (80333847)
|
Keywords | 量子ドット / オプティカル電気化学測定 / 量子サイズ効果 / バンドギャップ蛍光 / バイオセンシング / サイズ選択光エッチング法 |
Research Abstract |
本申請者のグループは、「サイズ選択光エッチング法」という独自の半導体超微粒子の粒子サイズ調整法を開発しており、半導体超微粒子の伝導帯下端と価電子帯上端のエネルギー位置を数ミリボルト間隔で変化させることができる。これと、レドックス種によるバンドギャプ蛍光の消光挙動を利用して、半導体量子ドットを用いた新規なオプティカル電気化学測定法を開発することが、本研究の目的である。本年度は、以下の研究成果を得た。 1.CdTe量子ドットの合成と粒径制御 メルカプトプロピオン酸を安定化剤に用い、CdCl_2水溶液とNaHTe水溶液を反応させることにより、CdTe超微粒を合成した。これを還流することにより、粒径を充分に大きくした。溶液をpH13程度のアルカリ性にして、Xeランプ光をモノクロメータに透過させて単色光を得、それを照射することで光エッチングを行った。充分に光エッチングを行い、蛍光スペクトル測定を行うと、照射した単色光の波長を650nmから540nmへのブルーシフトするに従い、蛍光スペクトルのピークはブルーシフトすることを見出した。そして、1nm間隔でバンドギャップ調整を行うことに成功した。 2.量子ドットとレドックス種間の電子移動反応 量子ドットを分散させた溶液に、種々のレドックス種を溶解することで蛍光強度変化を調べた。その結果、種々のキノン類が消光作用を示すこと、ならびに、H_2O_2やNADHなど、生体反応に関連する物質も消光を行うことを見出した。そして、それらの種の濃度と消光の度合いとの関係についてのキャリブレーション線を求めた。 3.H_2O_2およびNADHによる消光を利用したバイオセンシング 量子ドットを分散させた溶液にグルコースオキシダーゼを溶かし、そこへグルコースを溶解して量子ドットの蛍光強度変化を測定した。グルコース濃度が高くなるにつれて、グルコースオキシダーゼによる反応でH_2O_2が生成し、その結果量子ドットの蛍光強度が減少することを見出した。すなわち、オプティカルバイオセンシング測定を行うことのできる可能性を見出した。同様な方法によって、グルコースデヒドロゲナーゼとNADHによるセンシングも可能であることを見出した。
|