2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201024
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川合 知二 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20092546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕行 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20314429)
谷口 正輝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40362628)
柳田 剛 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50420419)
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Keywords | プローブ顕微鏡 / DNAデバイス / ナノ材料 / ナノポア |
Research Abstract |
(1)ナノポア型SPMの開発とDNAナノ構造の観測:DNAをベースとした電気・磁気回路形成の研究には、塩基配列の情報によって形成されたDNAナノ構造の精緻な観察とナノスケール物性測定法の確立が重要である。この課題の解決に向けて、ナノポア型SPM(走査プローブ顕微鏡)の開発を行った。その結果、本年度、以下の成果を得た。 (1)DNAのナノポア構造によるセンシングを行うためシリコン基板上に直径40nmのナノポアの作製が電子線リソグラフィーにより可能となった。(2)DNA電気伝導測定に用いる実験系として,MCBJ(Mechanically controllable break junction)装置の設計・開発及び立ち上げを行った。(3)DNA分子に関する空間的な情報(二重鎖形成、塩基配列)をナノポア構造により読み取るため、微細なナノポア構造をナノワイヤをテンプレートとした自己集合的な手法によるアプローチを試みた。そのテンプレートとなる酸化物ナノワイヤ(MgO)の構造制御を本年度は行い、10nm以下の非常に小さなワイヤを得ることに初めて成功し、そのメカニズムを解明した。(4)既存のSPMのシステムとパッチクランプ(一分子電気生理測定)を融合したナノポア型SPMを開発し、マイクロメーター程度の孔の開けたサファイヤ基板およびプラーによりマイクロメーター程度に細くしたガラス管のキャピラリーを切断して得られた孔に人工脂質二重膜を固定した系の作成に成功した。 (2)DNAの2次元規則構造の形成:上記測定手法の開発と同時に、2次元ナノ構造の形成・制御について新たな展開を図った。DNA分子回路を形成するそれぞれの部品となる分子材料について、以下の成果を得た。 (1)中距離で周期的にデザインされたDNAを用いてさまざまな多次元周期構造を作成した。さらに、DNAと他分子との水素結合、π-π相互作用の利用に展開した。(2)金属錯体内包DNAワイア:Ni, Pt系の錯体を水素結合を介してDNA塩基対の間に内包し、新しい1次元ナノワイアを作成した。(2)チオールなどを介して金属超微粒子をDNAオリゴマーに結合し、このオリゴマーの塩基シークエンスとワイアDNAの相補性を利用して、その情報に従いナノ粒子を並べた。ケルビンフォースSPMおよび磁気力SPMによりナノ粒子の電気磁気特性を明らかにした。
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