2007 Fiscal Year Annual Research Report
医療におけるリスク・患者安全管理の確立:患者視点の導入と安全文化・学習文化の醸成
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18201029
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
伊藤 謙治 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (80159871)
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| Keywords | 安全文化 / 患者安全 / リスク管理 / ヒューマン・エラー / インシデント・レポート / エラー分類法 / 報告文化 / 患者中心アプローチ |
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| Research Abstract |
本年度は、昨年度までの研究成果をさらに発展させ、我が国の医療現場における安全文化の特徴の解明し、また医療におけるリスク管理の中心的方法論となっているインシデント報告の分析技法を構築した。主な研究成果として、具体的には以下の内容が含まれる。
(1)医療における安全文化の特徴の解明:我が国の医療現場における安全文化の構造、ならびにその形成に影響を及ぼす要因の解明を目的として、全国84病院に勤務する医師、看護師、薬剤師、医療技術系職員にから合計2万件以上の回答を得る大規模なアンケート調査を実施した。これらの調査結果として、我が国の医療の安全文化の一般的傾向、医師・看護師・薬剤師・医療技術職員の安全文化の相違を検出した。また、病院規模、医師の専門、看護師の所属病棟による差違、医療者の年齢、経験、役職の違いによる安全文化への影響についても分析した。これらの相違の原因をリスクマネージャー、医師、看護師、薬剤師を対象としたインタビュー調査により考察した。
(2)医療におけるインシデント報告の分析技法の構築と適用調査:医療現場で起こっている事故・インシデント、ヒューマン・エラーを分析するための分類法(Human Error Taxonomy)を構築し、WHOなどで開発されている分類法、航空、原子力産業など他分野で構築された分類法との比較調査を行った。さらに、ここで構築した分類法を1病院から入手した3年間にわたるインシデント報告データに適用し、その有用性を確認し、このエラー分類法に対するさらなる改善点などを抽出した。
(3)安全文化と安全指標との関連性の分析:上述したインシデント報告に基づく安全指標のデータを適用し、安全文化と安全指標との関連性について分析を行い、実際の事故・インシデント報告率と安全文化との関連性を検証した。
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