2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳を標的とするケミカルバイオロジー:効率的に脳移行する脳腫瘍治療薬の分子デザイン
Project/Area Number |
18201041
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 智久 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60193281)
|
Keywords | 癌 / 脳・神経 / 生理活性 / 創薬 / 分子プローブ |
Research Abstract |
本プロジェクト「脳を標的とするケミカルバイオロジー:効率的に脳移行する脳腫瘍治療薬の分子デザイン」において、我々は血液脳関門に発現しているABCトランスポーター(ABCB1, ABCG2等)の基質にならず、効率的に脳移行する新規脳腫瘍治療薬の分子デザインを実施する。また、これらトランスポーターを阻害する薬をデザインし、既存の制癌剤が脳腫瘍に到達できるようにする。平成20年度、我々はABCG2と相互作用する化合物をスクリーニングし、独自の定量的構造活性相関(QSAR)解析法を用いて、ABCG2の基質になる化学的構造要素を導出することに成功した。その結果に基づいて血液脳関門を通過するカンプトテシン誘導体の分子デザインをおこなった。更にABCG2を阻害する化合物をスクリーニングし、その阻害様式に基づいてABCG2を強力に阻害するプロテインキナーゼ阻害剤を見出した。脳腫瘍にはABCG2を高く発現するものがあり、ABCG2を強く阻害するプロテインキナーゼ阻害薬は、血液脳関門を効果的に通過し悪性脳腫瘍を標的とすることができる。またさらにABCG2を強く阻害するプロテインキナーゼ阻害薬は、脳腫瘍の光線力学療法の効果を向上させる可能性が新たに見つかった。ABCG2を過剰発現させた哺乳類細胞の光線感受性をプロテインキナーゼ阻害薬で高めることに成功した。(An R, et al. Cellular phototoxicity evoked through the inhibition of human ABC transporter ABCG2 by cyclin-dependent kinase inhibitors in vitro. Pharm Res. 26 (2), 449-458, 2009.)我々の新規ABCG2阻害剤の開発が光線力学療法との補助手段として有効であろうと考えられる。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 小児科診療2009
Author(s)
石川智久, 中村亮太, 侵井亜季
Total Pages
123-125
Publisher
株式会社診断と治療社
-
-
-
-