2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (40116033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊二 大阪大学, 大学院薬学研究科, 講師 (60252699)
古徳 直之 大阪大学, 大学院薬学研究科, 助手 (20362618)
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Keywords | 海洋生物 / 分子標的 / 海綿 / 血管新生阻害 / 活性試験 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
最新の分子生物学的知見に基づいたスクリーニング法を用いて、副作用が少ない新しい抗がん剤シーズとして期待出来るがん細胞特異的な因子に選択的に作用する活性天然物を、海綿類を中心とする海洋生物の抽出エキスや海洋微生物の培養物ライブラリーから探索する。発見した活性物質の抗腫瘍作用を詳細に評価し、有望な微量活性物質については、全合成による供給を検討する。また、モデル化合物合成による構造活性相関の解析、より簡便に合成できる活性類縁体の合成等の合成化学的な検討を加え、新たな分子標的抗がん剤としての展開をはかる。さらに、得られた活性物質を用いてプローブ分子を設計・合成し、その標的分子を探索することで制がんに関わる未知のターゲットを開拓したい。本年度は、以下の成果を得ている。1)海綿から見出した血管新生阻害活性を有するプロモチロシン誘導体bastadinについて、構造と活性の相関を検討するための種々のアナログ合成をするとともに、標的分子を探索するためのプローブ分子の設計・合成を検討した。2)海綿からヒトさい帯静脈血管内皮細胞HUVECに対して3000倍以上の選択性を持って増殖抑制活性を示す4種の微量活性成分cortistatin A-Dを見出した。Cortistatin類は、側鎖にイソキノリンを有する特異なステロイドアルカロイドで、さらに、同種の海綿から類縁体を見出し、構造と活性の相関を調べるとともに、cortistatinの合成研究を開始した。2)p21プロモーター領域を活性化する物質を探索する活性試験法を用いて、薬用植物、海綿や海洋微生物の培養物エキスをスクリーニングし、数種の活性物質を見出している。
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