2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18201042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 Osaka University, 大学院・薬学研究科, 教授 (40116033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 雅吉 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (80311231)
古徳 直之 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (20362618)
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Keywords | 海洋生物 / 分子標的 / 海綿 / 血管新生阻害 / 活性試験 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
最新の分子生物学的知見に基づいたスクリーニング法を用いて、副作用が少ない新しい抗がん剤シーズとして期待出来るがん細胞特異的な因子に選択的に作用する活性天然物を、海綿類を中心とする海洋生物の抽出エキスや海洋微生物の培養物ライブラリーから探索した。発見した活性物質の抗腫瘍作用を詳細に評価し、有望な微量活性物質については、全合成による供給を検討した。また、モデル化合物合成による構造活性相関の解析、より簡便に合成できる活性類縁体の合成等の合成化学的な検討を加え、新たな分子標的抗がん剤としての展開をはかった。さらに、得られた活性物質を用いてプローブ分子を設計・合成し、その標的分子を探索することで制がんに関わる未知のターゲットを開拓したい。本年度は、以下の成果を得ている。1)海綿から血管新生阻害活性物質として見出した側鎖に共役ペンタエノン構造を有するトリテルペンglobostellatic acid X methyl ester類の合成研究を行ない、HUVECに選択的増殖抑制活性を示すモデル化合物の合成に成功した。2)海綿から見出している微量抗腫瘍活性物質arenastatin Aについて、これまでの合成法では最終段階の側鎖のエポキシ基の構築の立体選択的な合成が困難でHPLCを用いる異性体の分離が必要であったが、新たに立体選択的に合成する手法を開発した。3)海綿からグルタミン酸毒性に対する神経保護物質としてアルカロイドcrambescidin 800を見出し、その作用機構について詳しく解析した。4)G2チェックポイントを阻害する物質を探索する活性試験法を用いて、海綿や海洋微生物の培養物エキスをスクリーニングし、数種の活性物質を見出している。
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