2006 Fiscal Year Annual Research Report
広域空間動態解析と分子生態学的手法の統合による沿岸景観形成種の保全指針の作成
Project/Area Number |
18201043
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
仲岡 雅裕 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 助教授 (90260520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶田 忠 千葉大学, 理学部, 助教授 (80301117)
近藤 昭彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (30201495)
灘岡 和夫 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70164481)
野田 隆史 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教授 (90240639)
田中 法生 国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究員 (10311143)
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Keywords | 空間スケール / 沿岸生態系 / メタ個体群 / 岩礁潮間帯 / 藻場 / リモートセンシング / 分子生態学 / 輸送プロセス |
Research Abstract |
本研究は、沿岸海域の生態系機能(生産性、安定性、物質循環など)に多大な影響を与える景観形成種(サンゴ、海草、マングローブ、フジツボ・イガイ類等)を対象に、メタ個体群の広域変動様式および変動機構を解明することにより、保全に対する指針を作成することを目的とする。この目的を達成するため本年度は下記の研究調査を行った。 1)階層理論に基づく景観形成種の定期野外調査:外洋性海岸のフジツボ類、海藻類、サンゴ類、内湾域の海草類、マングローブ類を対象に、空間階層性を考慮した調査区を設定し、対象生物の広域分布と局所的な被度、現存量を調査し、また水温の長期変動を実測した。その結果、主要種の広域分布、群集構造の空間変異が明らかになるとともに、水温の広域変動との関連性が判明した。 2:リモートセンシングによる広域長期変動の解析:リモートセンシングを利用して、景観形成種の空間動態を、地域スケールから局所スケールにわたり解析した。その結果、海草については変動パターンがパッチの大きさに依存して変異することが判明した。また、岩礁潮間帯生物群集については、生物量の空間変異が、海岸の連続性などの景観構造に依存していることが明らかになった。 3:分子生態学的解析:温帯性海草類であるアマモ・コアマモについて、マイクロサテライトマーカを用いて主要集団の遺伝的構造および遺伝子交流パターンを明らかにした。また、熱帯性海草類であるリュウキュウスガモおよびマングローブ類について分子生態学的な解析の方法論を検討した。 4:大規模海流動態モデリング:沖縄海域および東京湾を対象域に、海水流動ならびに物質輸送を高精度で表現出来る準3次元浅水乱流・輸送モデルをベースとして、温帯岩礁域、海草藻場、マングローブ域にも適用可能とするための予備的解析を行い、解析条件およびヴァリデーションのため必要な野外情報について検討した。
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