2006 Fiscal Year Annual Research Report
蝋管等の録音資料からの音声復元と内容情報の分析に関する横断的研究
Project/Area Number |
18202011
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
清水 康行 日本女子大学, 文学部, 教授 (00148074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊福部 達 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70002102)
岩井 俊昭 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学府, 教授 (80183193)
魚住 純 北海学園大学, 工学部, 教授 (50184982)
村上 隆 独立行政法人文化財研究所, 奈良文化財研究所・都城発掘調査部, 上席研究員 (00192774)
鈴木 一義 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 主任研究官 (70196799)
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Keywords | 国語学 / 言語学 / 日本史 / 録音資料 / 音響工学 / 光工学 / 保存工学 / 科学技術史 |
Research Abstract |
以下のA〜Dについて研究活動を行ない、一定の成果を得た。それぞれ、次年度以降、継続して研究活動を展開し、所期の日的を達成する予定である。 A 蝋管等初期録音資料の音声復元方法の開発:蝋管等の保存状態・形態等に応じ、最適な音声復元が可能となるよう、触針およびレーザービーム反射光、低コヒーレンス干渉計、マイクロフォーカスX線CT、CCDカメラを利用した複数の再生方式について、基礎的な実験を行なった。特に、X線CTおよびCCDカメラ利用に関して、多くの新たな知見を得た。また、既開発の触針・レーザー切替可能な再生機の改良を行ない、大口径蝋管の再生も可能な機器を試作した。 B 蝋管等初期録音資料の保存方法の開発:当該資料群のこれ以上の経年劣化を防止し、恒久保存の対策を講じるための基礎的な情報を得るべく、X線CT等を用い、蝋管の状態を精査し、表面の破損、材質の劣化の程度を測定した。蝋管の材料組成、表面状態の劣化に関して、有益な情報を得た。 C 国内外の初期録音所蔵機関の訪問調査:当該資料群を所蔵する国内外の諸機関を訪問し、所蔵内容・保存状態を調査した。国立科学博物館・ウィーン録音アルヒープ等の所蔵蝋管に関しては、レーザー方式による再生実験を行なうこともできた。また、それらの機関関係者と再生実験および今後の研究計画について、有意義な意見交換ができた。 D 初期録音資料群の言語内容情報の言語史的・芸能史的分析:先行研究と上述Cで得た音源、市販CD所収音源を対象に、日本語文法史、日本語音韻史、近代日本史、日本芸能史の観点から、言語内容の分析および関連調査を行なった。特に、現存最高の日本語録音である1900年パリ録音に関し、詳細な音声分析を試みた。
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Research Products
(4 results)