2006 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル帝国興亡史の解明を目指した環境考古学的研究
Project/Area Number |
18202024
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
白石 典之 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (40262422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 恭通 愛媛大学, 法文学部, 教授 (40239504)
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 教授 (90196999)
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
松田 孝一 大阪国際大学, 経営情報学部, 教授 (70142304)
小畑 弘己 熊本大学, 文学部, 助教授 (80274679)
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Keywords | モンゴル / モンゴル帝国 / 環境考古学 / 古環境復元 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究は、従来の文献史学的アプローチでは明らかにできなかったモンゴル帝国(イェケ=モンゴル=ウルス)興亡史の実態を、環境考古学の手法を用いることによって解明しようという、文理融合型プロジェクトである。今年度は初年度なので、予備的・基礎的調査を中心に行った。 今年度の成果は、以下の通りである。 (1)平成18年6月、新潟大学で研究集会を開催し、研究計画全体について討論した。 (2)8月、モンゴル国アウラガ遺跡(チンギス=カン宮廷遺跡)にて日本・モンゴル共同の考古学調査を実施した。遺跡内のチンギス=カン期のものとみられる遺構から、大量のオオムギ、コムギ、キビなどの炭化粒が、茎や根が付いたまま出土した。当時のモンゴル宮廷における食生活と、近隣地で農耕が行われていた証拠が得られたものと注目している。それを受け、遺跡周辺の農耕地と考えられる候補地点の小発掘を行い、炭化穀物粒を採集し、理化学的年代測定を行った。 (3)夏期にモンゴルにて草原生態学調査、古環境調査を実施した。これらの成果については現在分析中。 (4)同じく夏期に、草原地域の土壌水分量の経年変化を明らかにする目的で、モンゴル国ドンドゴビ県にある鳥取大学の計測ステーションに土壌水分計を設置した。 (5)9月、アウラガ遺跡の重要性を鑑み、その保存策をユネスコ北京事務所と協議した。 (6)12月、新潟市内で市民向け公開学術講演会「モンゴル、日本、そして新潟」を駐日モンゴル国大使の出席にもと開催し、本研究を広く一般に紹介するとともに、モンゴル研究の意義を明らかにした。 (7)平成19年1月、モンゴル人考古学者を招へいし、元寇遺跡として有名な長崎県鷹島を見学するなど、学術交流を深めた。 (8)3月、台湾・故宮博物院所蔵の、モンゴル地域の気象史料の調査を行った。 以上の成果は、次年度に雑誌論文、学会発表、概要報告などで公表する予定である。
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Research Products
(1 results)