2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18202026
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
川越 俊一 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 部長 (20090376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 道雄 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 企画調整部, 企画調整部長 (30004089)
小池 伸彦 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 上席研究員 (90205302)
松村 恵司 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 考古第一研究室長 (20113433)
深澤 芳樹 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 上席研究員 (40156740)
窪寺 茂 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 文化遺産部, 建造物研究室長 (00393372)
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Keywords | 遺跡 / 建築部材 / 木材 / 石 / 金属製 / 焼失家屋 / 埋没家屋 / 柱根 |
Research Abstract |
1.出土部材データベースの作成 既刊の全国の発掘調査報告書を悉皆的に通読し、出土部材に関する報告をデータ化した。その対象は、建築部材と明確に示されているもの以外でも、柱根・大型木材も拾い出し、木工技術の参考事例として井戸枠などもその対象とした。作業は近畿地方を手始めに、奈良・京都・大阪と進み、作業は次年度以降も継続する。 2.調査手法の検討 現在各地でおこなわれている出土部材の調査方法についての調査をおこなうとともに、出土部材実測作業のなかで、簡便かつ有効な調査手法を検討した。 3.先行研究の整理 今年度は、出土部材に関する論考および、出土部材による復原的研究など、出土部材そのものおよび出土部材を基礎資料とした研究論考を抽出し、データ化をおこなった。 4.出土建築部材の調査 今年度は、当機関が保管する主として飛鳥・藤原地区出土の建築部材の実測および詳細な観察をおこなった。この作業は次年度以降も継続するが、詳細な観察のなかで、柱根に記された墨線等、新たな発見もみられ、7世紀代の建築技術の解明に貢献するものと考える。 その他では、秋田県において、地元と協力して、10世紀に十和田火山の火砕流によって一瞬のうちに埋没した家屋遺構の調査をおこなった。これらは、過去に発掘され保管されていたものであるが、建築史的な評価が定まっておらず、今年度および次年度の調査を通して、建築史的な評価を定め、10世紀代の地方における家屋の具体的な姿およびその建築技術をあきらかにしてゆく。 5.焼失家屋の研究 建築部材が土中から出土する事例として焼失家屋がある。これら事例を収集・検討することにより、竪穴住居の具体的な建築技術をあきらかにしてゆく。今年度は、その事例収集をおこないデータ化するとともに、発掘担当者等を招聘して研究会を開催して、今後の研究の可能性を検討した。 6.海外事例の調査 今年度は海外のうち、韓国について、実見可能なものについては調査をおこない、韓国における出土建築部材についての研究情況を研究者等からヒアリングするとともに、今後研究に対して協力を要請した。
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