2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18202026
|
Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
島田 敏男 National Research Institute Cultural Properties, Nara, 文化遺産部, 建造物研究室長 (60187432)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒坂 貴裕 独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (70419901)
箱崎 和久 独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 遺構研究室長 (10280611)
|
Keywords | 遺跡 / 発掘 / 出土 / 建築部材 / マニュアル / 事例集 |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、出土建築部材データベースの作成をおこなった。発掘報告書を基礎資料として、全国から出土している建築部材および、それに類する部材についてのデータベースを完成させた。そのデータについては、CDとして、全国の研究者・発掘関係者に配布した。これにより、これまであまり活用されていなっかた遺跡出土建築部材が、考古学・建築学の両分野で活用されることとなり、今後の新たな研究の展開が期待される。 2・3.調査手法の検討・調査マニュアルおよび事例集の作成観察手法の検討と、新たな実測・観察手法を検討した。その上で、調査マニュアルを作成するとともに、調査マニュアルと連動した事例集を作成し、『出土建築部材における調査手法についての研究報告』と題する印刷物として配布した。これにより、全国でおこなわれている発掘調査における出土部材の調査が均一化されるとともに、今後は、出土建築部材が積極的に報告され、さらには、それら報告にもとづいた研究が展開するものと思われる。 4.全国出土建築部材の調査本年度は、奈良県内のものとして、飛鳥地域および藤原京・宮出土の建築部材を中心に実測および観察をおこなった。なかでも、坂田寺出土および本薬師寺出土の建築部材について、調査が完了した。また、当機関外のものとしては、静岡県伊豆の国市の協力を得て、山木遺跡出土の建築部材の実測および観察をおこなった。なお、これら成果は、後述の研究報告にその概要を報告するとともに、平成22年度に、当機関より、調査報告書を出版する予定である。これら報告は弥生~古代の具体的建築技法を示すものと貴重な資料となろう。 5.今年度が最終年度ということもあり、研究費執行および作業内容について、データベースの完成およびマニュアル・事例集の作成を優先したため、海外の類例調査をおこない得なかったが、今後も研究として継続してゆきたい。 6.研究会の開催今年度はオープンな研究会は開催せず、宮本長二郎氏を招いて、マニュアル・事例集作成を主眼とした実務的な研究会を開催し、マニュアル・事例集を完成した。 7.研究報告の印刷4年間の研究成果を『遺跡出土の建築部材に関する総合的研究』として印刷物として、全国の研究舎・発掘担当機関に配布した。
|
Research Products
(3 results)