2006 Fiscal Year Annual Research Report
韓国政府公開資料による日韓基本条約の国際共同研究-脱植民地化論理と冷戦論理の交錯
Project/Area Number |
18203011
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
浅野 豊美 中京大学, 教養部, 教授 (60308244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木宮 正史 東京大学, 総合文化研究科, 助教授 (30221922)
李 鐘元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
磯崎 典世 学習院大学, 法学部, 教授 (30272470)
太田 修 佛教大学, 文学部, 助教授 (00351304)
金 敬黙 中京大学, 教養部, 講師 (00410621)
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Keywords | 国交正常化 / 日韓関係 / 請求権 / 在日韓国朝鮮人 / 漁業問題 / 冷戦 / 謝罪 / 脱植民地化 |
Research Abstract |
本研究は、脱植民地化の論理と冷戦の論理の交錯の中で、現在に至るまで尾を引く日韓関係の基本的な構造が形成されてきた過程を照明せんとするものである。 第一年目の本年度は、共通テーマに即した全体の各自の具体的な課題の絞り込みのために既存研究の再検討のための研究会を三度にわたって持った。特に、そのうちの一回は、韓国からの研究者も招いて韓国側資料の公開の経緯を吟味し今後の韓国側との研究計画を練る一方、日本側の史料公開状況や今までの研究状況に関する情報を交換したもので、合宿形式で親睦を深めあう充実したものとなった。第二回目は、既存資料を使って日韓国交正常化研究を進め著書も公刊されている分担者の二人を囲みながら、今までの研究の成果と未解明な問題群についての意見交換を中心に、今回公開された韓国政府公開資料と、既に公開済みのアメリカ政府資料についても情報交換を行った。それを通じて、今後の各自の分担テーマについての問題意識を深めたのみならず、新資料によって、既存研究をいかにバージョンアップできるかが、今後の共通の課題であることを確認した。 他にも、夏には日本側の有志で韓国における資料公開状況を実施に視察した。ソウル市所在の外交史料館、国史編纂委員会、太田市の国家記録院を訪問し関係資料を調査した。また、ワシントンDCのアメリカ公文書館における主要文書の調査も行い、そのかなりの部分を複写した。また、日本外務省に対して、情報公開法に基づき日韓会談外交文書の公開請求を行った。来年度は、各自が分担するテーマについての資料整理状況の点検、史料解釈の検討、重要史料の紹介を重点的に行っていくこととしたい。
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