2007 Fiscal Year Annual Research Report
韓国政府公開資料による日韓基本条約の国際共同研究・脱植民地化論理と冷戦論理の交錯
Project/Area Number |
18203011
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
浅野 豊美 Chukyo University, 教養部, 教授 (60308244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木宮 正史 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (30221922)
李 鍾元 立教大学, 法学部, 教授 (20210809)
磯崎 典世 学習院大学, 法学部, 教授 (30272470)
太田 修 仏教大学, 文学部, 准教授 (00351304)
金 敬黙 中京大学, 教養部, 准教授 (00410621)
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Keywords | 国交正常化 / 日韓関係 / 請求権 / 在日韓国朝鮮人 / 漁業問題 / 冷戦 / 謝罪 / 脱植民地化 |
Research Abstract |
第二年目の本年度は、第一年目に引き続いて、共通テーマに即した各自の具体的な課題の絞り込みを行うと共に、全体として各自の基本的な問題関心と基本資料の吟味を行うための研究会を二度開催した。そのうちの一回は韓国で開催し韓国側の協力大学との共催という形で国際シンポジウムを行った。その報告論文集は、韓国で冊子にまとめられた。 研究会では、韓国側の協力者が推進した韓国政府公開資料集解説の翻訳についても検討が行われた。資料解説本は、韓国側が主導して時系列的に五巻からなる冊子に編集されつつあるが、日本側では来年度、それを翻訳して出版することを検討している。 研究会では、若手研究者の協力をも仰ぎ、アメリカの冷戦政策と日韓交渉への関与、社会党の対韓政策、自民党の親韓派の活動、経済協力方式の由来等の問題について、活発に議論を行った。また、日本側の外務省の外交記録が本格的に公開され始めたことから、その公開を推進している会の活動についても、関係の分担者に報告をいただき、今後の研究の方向性を話し合った。日韓の両政府の新規公開資料を使って、歴史として日韓国交正常化交渉を研究できる研究環境が、いよいよ本格的に整いつつある。 また、個別の研究テーマに則した、アメリカと韓国への資料調査も継続された。アメリカ側の賠償関係資料の中には、日韓交渉の中でのアメリカの役割を考えるために、極めて重要な資料が埋もれていることが分かった。アメリカの仲介が、具体的にどのような金銭的な枠組を伴っていたものであったのかについて、初めて本格的な解明が行われる日も近い。 韓国側の資料解説本を翻訳するに際しては、アメリカ側の資料と、公開が始まった日本側の資料を取り込みつつ、日本側の解説を付け加える形で翻訳出版することを検討中である。日本側の今後の公開がどのように進展するのかを見ながら、次年度に最終的な出版形態を判断していきたい。
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Research Products
(14 results)