2006 Fiscal Year Annual Research Report
モーメント条件に基くセミパラメトリック計量経済分析の理論と応用
Project/Area Number |
18203014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 慶彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (30283378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 英彦 東京大学, 経済学研究科, 教授 (50401196)
谷崎 久志 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60248101)
大屋 幸輔 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (20233281)
永井 圭二 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (50311866)
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (00283680)
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Keywords | モーメント条件 / セミパラメトリック推定 / ノンセミパラメトリック推定 / 二次漸近効率 / ノンセミパラメトリック局外数 |
Research Abstract |
Taniguchi, et.alは金融資産の収益率過程が従属、非正規と想定して、LeCam流の最適推測論を基にして、統計的金融工学を構築した。金融データの解析について、Hoshikawa et.al.とUbukata and Oyaがノンパラメトリックなintegrated volatilityの推定、検定に関する研究を行った。関連して、Matsuda et.al.は多変量時系列のノン・セミパラメトリックのモデル選択規準としてCV法を応用することを提案し、その漸近特性を導いた。Tanizaki et.al.(2006)は、ブートストラップ法を用いて自己回帰モデルのパラメータの推定値の小標本バイアスを取り除く方法を提案した。 AI需要システムでは,説明変数と被説明変数との間に相関があるが,従来ではこれを無視して推定が行われてきた。溝渕・谷崎は,3SLSとブートストラップ法を用いて,内生性と信頼区間の問題を同時に解決する方法を提案し,日本の10品目の需要システムを推定した。 バウンド分析の重要性は従来から認知されていたが、バウンドそのものが広く、実用的ではなかった。Blundell et.al.は、ある種の定性的な制約を加えることにより、バウンドがタイトになる場合を示し、またインタークアンタイルは定性的な制約なしにでも従来の方法よりタイトなバウンドがあることを示した。 Hitomi et.al.(2006)は、モーメント条件で表されるセミパラメトリック推定量の漸近分散が、真のノンパラメトリック関数を使うよりもその推定量で置き換えた時の方が小さくなる現象がどのようなときに生ずるか調べ、計量経済学においてその例をいくつか示した。 平成18年7月15〜16日に、京都大学においてセミパラメトリック法を用いた計量経済理論に関する国際コンファレンスを開催し、約70名の出席者を得て、活発な議論がなされた。
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