2008 Fiscal Year Annual Research Report
モーメント条件に基くセミパラメトリック計量経済分析の理論と応用
Project/Area Number |
18203014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 慶彦 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (30283378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 美寛 東京大学, 経済学研究科, 教授 (70134814)
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 准教授 (00283680)
谷崎 久志 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60248101)
永井 圭二 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (50311866)
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Keywords | 経済統計学 / 統計数学 / セミパラメトリック法 / ノンパラメトリック法 / モーメント条件 |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果を上げた。矢島は松田との2件の共同研究を行った。第一に成分時系列間の独立性、条件付き独立性、separabilityなど多変量線形時系列に対するノン・セミパラメトリックな検定問題を統一的に扱える検定統計量を提案した。第二に空間的に不規則な間隔で観測されるデータに対して、フーリエ解析を一般化した方法を提案した。それを関東一円の公示地価の分析に応用した。また、矢島はで近年の時空間統計解析の進展についてサーベイした。谷口は、小方との共同論文でスペクトルのCressie-Read power divergenceに基づいて、非正規定常過程のセミパラメトリックな経験尤度推測、検定を議論した。また、蛭川、玉城との共著書籍で、局所漸近正規性に基づく時系列の最適推測を論じ、金融工学に応用した。大屋は、生方との共同研究で、高頻度金融データに含まれる市場ノイズの性質を明らかにするための推定量と検定統計量を提案した。また、大賀との共同研究で、株価の循環的な変動特性に注目してMS-GARCH-tモデルを提案し、日次株価指数の分析を行った。谷崎は、羽森との一連の共同研究において実証研究を行った。第一に構造的VARモデルを用いて,アフリカ6カ国の1990年代初期以降の為替レートの変動要因を調べた。第二に日、英、米の株価変動の依存関係を調べた。人見は、Hanushek,Lavyとの共同研究で、エジプトの小学校の退学データを用いて、退学決定を家計の合理的な行動から説明した。人見と西山は、モーメント条件に関する推定問題について、2件の研究成果を発表した。個人情報秘匿等の目的のために所得統計などの多くのデータはグループごとの頻度とグループ内の平均しか公表されないが、この状況で分布のパラメータを効率的に推定するためのモーメント推定法を提案した。第二は奥井との共同論文で、有限次元ベクトルと無限次元の関数という2種類のパラメータを持つセミパラメトリックモデルにおいて、無限次元部分が既知の場合の方が、未知で推定する必要のある場合よりも有限次元パラメータの推定量の分散が小さくなるという逆説的な現象の発生メカニズムを解明した。 また、今年度は本科学研究費により、17件のセミナーを開催し、米、豪、カナダ、香港、韓国から研究者を招いた。11月にいくつかの関連する科学研究費との共催による国際研究集会を開催し、ベルギー、ロシア、イタリア、韓国から研究者を招待して活発な議論を行った。
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Research Products
(14 results)