2009 Fiscal Year Annual Research Report
モーメント条件に基くセミパラメトリック計量経済分析の理論と応用
Project/Area Number |
18203014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 慶彦 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (30283378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 美寛 東京大学, 経済学研究科, 教授 (70134814)
谷崎 久志 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60248101)
人見 光太郎 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 准教授 (00283680)
永井 圭二 横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 教授 (50311866)
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Keywords | ノンパラメトリック / セミパラメトリック / 漸近理論 / マイクロストラクチャーノイズ / 長記憶 / Cressie-Read Power Divergence |
Research Abstract |
本年度は主として以下の4項目に関する研究結果を得た。第一に、一般的な多変量線形時系列モデルに対する様々なノンパラメトリックあるいはセミパラメトリックな検定問題に汎用的に利用できる検定統計量を提案し、その理論的な性質が導出された。適用可能な検定問題としては独立性の検定、分離可能性の検定、自己共分散(相関)関数の同一性の検定、時間可逆性の検定、条件付き独立性の検定などが考えられ、極めて汎用的な結果が得られている。 金融時系列分析に関しても一定の成果を得た。株式、債券等の約定価格は真の資産価値とマイクロストラクチャーノイズから構成されているが、それらの構成要素はともに観測されない。そのようなデータが観測されている状況で、観測されないマイクロストラクチャーノイズの時系列的な從属性を観測約定価格からノンパラメトリックに推定する方法が提案された。 非正規定常過程のスペクトル密度関数に対して経験尤度型Cressie-Read検定統計量を導入しその漸近理論が構築された。また、これに基づく時系列指標の信頼区間構成も提案された。Cressie-Read Power Divergence Testは経験尤度テストの一般化であるとも考えられるが、その小標本特性は知られておらず、それをモンテ・カルロ実験によって調べた。さらに,ブートストラップやバートレットなどのサイズ修正を行った検定と比較した。 長期記憶攪乱項をもつ時系列回帰モデルで、残差スペクトルの母数ベクトルの一部がゼロに近いと想定されるとき、そうでない部分母数の制約付き最尤推定量、非制約最尤推定量、予備検定推定量のasymptoticsを明らかにしMSEを評価した。これらのMSEの数値評価を行い長期記憶構造3つの推定量にどのように影響するかをみた。
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Research Products
(27 results)