2008 Fiscal Year Annual Research Report
BRICs諸国の潜在成長力と資源・環境に関わる持続可能性の比較研究
Project/Area Number |
18203020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉井 昌彦 Kobe University, 経済学研究科, 教授 (80191542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 章次 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70116234)
加藤 弘之 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70152741)
佐藤 隆広 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (60320272)
周 〓生 立命館大学, 政策科学部, 教授 (80319483)
堀井 伸浩 九州大学, 経済学部, 准教授 (10450503)
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Keywords | BRICs / ブラジル / ロシア / インド / 中国 / 経済事情 / 経済政策 |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、BRICs4カ国の経済発展の可能性を検証すること、資源・環境問題がこの経済成長に否定的影響を与える可能性を分析すること、これらの問題に対してどのような政策対応をとればよいかを分析することであった。 これらの目的に対応して、現地調査を含めた研究を展開し、中国、インド、ロシアの専門家を招塒したワークショップ、数回の共同研究会を開催したほか、本科研の総括として本科研メンバーが執筆したBRICs経済論文集(『国民経済雑誌』第199巻第1号)を発行した。 ワークショップでは、1.悪化する中国の環境問題に対して適切な環境マネージメントが必要であること、2.インドの経済成長には繊維産業が大きな役割を果たし、今後は自動車産樂がそれに代わる可能性があること、3.石油価格の下落によりロシアの経済政策には根本的な変革が不可欠であること、が明らかにされた。 また、BRICs経済論文集においては、1.4カ国の経済成長は90年代からの(中国の場合は78年からの)経済自由化政策が最も大きな推進力となったこと、とは言え、4カ国共に経済自由化に問題点を抱えていること、2.マクロ経済パフォーマンスを見ると、金融部門の発達が4カ国の経済成長に貢献してきたこと、3.2000年代以降の資源価格の高騰の中で4カ国はキープレーヤーの役割を果たしてきたこと、しかし、資源価格が下落をし始めた結果、とりわけブラジルとロシアの経済運営に大きな懸念が持たれること、(4)4カ国の高成長が地球環境に負の影響を及ぼす懸念を抱えていること、が明らかにされた。
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Research Products
(39 results)