2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本および東アジアのコーポレート・ガバナンスにおける動学的分析
Project/Area Number |
18203022
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
福田 慎一 東京大学, 大学院経済学研究科, 教授 (00221531)
伊藤 秀史 一橋大学, 大学院商学研究科, 教授 (80203165)
小田切 宏之 一橋大学, 大学院経済学研究科, 教授 (40114053)
岡室 博之 一橋大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (40251730)
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Keywords | 金融論 / コーポレート・ガバナンス |
Research Abstract |
平成18年度は初年度であり、作業は文献サーベイの他、主に企業の所有構造と役員に関するデータベースの構築を行った。具体的には、(1)株主と持分、(2)役員データ(役員名、学歴、在任期間、年齢、入社年)、(3)創業者一族の家系図、(4)財務データ、を収集した。サンプル期間は、1960年〜2000年と長期にわたる類例のないデータベースとなった。これを基に、次の5つの研究テーマについて分析を行った。「1.モニタリングにおける大株主の役割」では、モラルハザード問題の原因を調べるため、まず、日本の銀行の大株主を調べた。その結果、日本の銀行の約4割が、上位5位までの大株主が取引関係のある保険会社と銀行で占められていることがわかった。「2.企業ピラミッドの発生要因」では、系列毎に企業のグルーピングを行い、株持合いとピラミッド構造を明らかにした。「3.経営権委譲の決定要因」では、日本の家族企業における経営権委譲の決定要因を分析し、後継者を養子・婿養子として一族に迎えることで企業価値を高めていることがわかった。「4,経営者の政界進出による企業業績への影響」では、タイ企業上位2000社を株主により分類し、株主ごとにグルーピングを行った。その結果タイ上位100位に同定された財閥のオーナーの約1割が、2000年2月のタイ総選挙に立候補した企業家であることがわかった。「5.資金調達における政経癒着の影響」の分析では、タイ上場企業の約2割が、財閥一族とのコネクションをつくるため、財閥系銀行の大株主の一族あるいは役員が企業の役員になっていることがわかった。
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Research Products
(62 results)