2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本および東アジアのコーポレート・ガバナンスにおける動学的分析
Project/Area Number |
18203022
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
ウィワッタナカンタン ユパナ Hitotsubashi University, 経済研究所, 教授 (20361842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅子 和美 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60134194)
北村 行伸 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
小田切 宏之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40114053)
岡室 博之 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (40251730)
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Keywords | 金融論 / コーポレート・ガバナンス |
Research Abstract |
平成20年度は、株主所有構造、役員データ、財務データ、一族の家系図データといった不足データの追加・補強を行い、データベースの構築を完成させた。また、前年度の推定結果を基に、再度モデルを立て直し、そのロバストネス(頑強性)をチェックし、論文執筆・投稿、国内外での発表と活発な意見交換を行った。 各研究トピックスにおいて、以下の通りの研究成果をあげた。1「モニタリングにおける大株主の役割」では、銀行の大株主の行動を分析し、銀行と保険会社が大株主になっている銀行は、モニタリング効果が機能しないため、パフォーンマンスが悪いことがわかった。2「企業の株式構造の発生要因」では、企業グループの構造を調べた結果、構造の複雑さが判明し、新たな支配株主のデータ構築を行っている。3「経営権委譲の決定要因」では、なぜファミリー企業の方が、非ファミリー企業よりもパフォーマンスが良いのかを分析し、一族外から優秀な人材を後継者に選ぶことができる養子制度の存在が大きいことがわかった。4「経営者の政界進出による企業業績への影響」では、企業経営者が政界に進出した結果、経済政策を自らの企業に有利となるような修正を行い、マーケットシェアを高めるためであることを確かめた。5「資金調達における政経癒着の影響」では、計量的な資本構成モデルを改良し、さらにいくつかのコントロール変数を入れ換え、数回の検定を行った結果、企業が政府や銀行とのコネクションを通じて、長期融資を受けられることが、改めて明らかとなった。
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Research Products
(57 results)