2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦略的環境経営の研究:サプライチェーン・マネジメント・アプローチ
Project/Area Number |
18203025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
淺田 孝幸 Osaka University, 大学院・経済学研究科, 教授 (10143132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 一頼 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50142831)
小林 敏男 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20205470)
高尾 裕二 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60121886)
椎葉 淳 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60330164)
関口 倫紀 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (20373110)
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Keywords | 経営学 / 政策研究 / サプライチェーン・マネジメント / 環境対応 / 企業社会責任 |
Research Abstract |
淺田では、日本企業の戦略経営のなかで課題となっている「環境経営をどう具体的実行につなげるかという問い」すなわち、環境問題を主要な経営課題として取り組む環境戦略としての具体的な方策、サプライチェーン・マネジメントの先進事例を元に攻めの経営としてのその具体的方法論の意義を明かにした。1つに、自然環境の保全や向上に寄与するイノベーションの事業化。2つめ、かかるイノベーションのコスト回収をどうしているか、3つめ、社会性を意識した顧客価値創造とはどのようなものであるかを検討した。次に金井では、CSRと環境経営との関係で、環境経営は、戦略的CSRのなかで環境価値を創造することを意味しており、環境からの資源使用量を低減し、環境負荷を削減するというネガティブ面の減少と森林育成のようなよりよい環境創造するポジティブ面の増大という両面の有ることを明かにし、それの具体的例として、関口は、地球温暖化対策の一環として森林管理の徹底と間伐材の利用促進が叫ばれており、充実した森林資源を求めて、国内の住宅産業の国産材への関心は高まっている。流通の中間コストの構造を変えることに成功した地域では林業生産が活性化し取扱量が増えている、従来のシステムにとどまろうとする地域では需要の衰退という現象も引き続き続いているなどを指摘した。小林は、やや視点を変えてコーポレイトガバナンス・企業の社会責任・環境経営の3つの関係を考察し、世界経済の冷戦構造の終焉からのグローバル化、資源枯渇問題、情報化の進展が、企業価値とは何かについて、ステイクホルダーのグローバルな拡がりを受けて、企業の社会責任という概念で要約される方向に行き着いていること。したがい、資本の論理から議論するのでなく、社会責任からガバナンスを論じることこそが、現代の環境経営の問題の重要性であると指摘した。高尾は、その指摘をうけて、具体的な企業の社会責任への取り組み方法として、従来の財務開示とCSR報告書の開示は、その両者の関係づけによる補完性の重要性こそが、CSRのインパクトを高めるとケースを通じて指摘した。
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Research Products
(10 results)