2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金銅 誠之 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50186847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
伊藤 由佳理 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (70285089)
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
藤野 修 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (60324711)
向井 茂 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80115641)
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Keywords | モジュライ空間 / 格子 / 有界対称領域 / 保型形式 / K3曲面 |
Research Abstract |
種数3の曲線のモジュライに関するCobleによる古典的結果を、IV型有界対称領域上の保型形式を用いて再構成することを研究した。この研究においては、2つの元から成る有限体上の7次元の2次形式が重要である。この7次元空間にはある特異部分空間が135個含まれる。Cobleはこの135個の特異部分空間それぞれに対し、ゲッペル関数と呼ばれる不変量を構成し、レベル2構造付きの種数3の曲線ぼモジュライ空間の射影モデルを構成している。本研究では、135個の特異部分空間それぞれから、Borcherdsの保型形式論を適用して、135個の保型形式存構成した。これは上記の種数3の曲線のモジュライ空間の射影モデルを与えることを意味する。今後の課題は、ここで構成した射影モデルとCobleが与えた射影モデルが一致することを示す点である。この例は、代数幾何学において最も重要な楕円曲線の場合の理論の、K3曲面の周期理論や保型形式論を用いた高次元版を与えることを意味し、新たな展開を生み出す結果である。また種数6の曲線のモジュライをIV型有界対称領域の算術商として記述し、その佐武のコンパクト化の幾何学的構成を試みている。これは一般のK3曲面のモジュライのコンパクト化の研究の良い例を与えるものと考えられる。さらに以前、種数4の曲線のモジュライを複素超球の算術商として記述できることを示したが、この佐武コンパクト化の不変式論的コンパクト化との関係も研究を開始した。
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Research Products
(3 results)