2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハッブル後継機HOP搭載超広視野カメラによる深宇宙探査
Project/Area Number |
18204016
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
常田 佐久 国立天文台, 先端技術センター, 教授 (50188603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 亨 国立天文台, ハワイ観測所, 助教授 (90271519)
宮崎 聡 国立天文台, 先端技術センター, 助教授 (20290885)
岩田 生 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 上級研究員 (40399275)
中屋 秀彦 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (70450179)
小宮山 裕 国立天文台, ハワイ観測所, 上級研究員 (20370108)
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Keywords | 宇宙望遠鏡 / 広視野カメラ / ハッブル / モザイクCCD / 宇宙論 / HOP / 完全空乏型CCD / ダークマター |
Research Abstract |
超広視野カメラ(HOP VWFI)は、ハッブル望遠鏡後継機として検討されているNASA Hubble Origins Probe望遠鏡計画の基本装置のひとつであり、安定した高解像度、低背景ノイズのもとでこれまでの20倍に迫る超広視野の撮像を可能とする宇宙望遠鏡用観測装置である。HOP VWFIを用いて深宇宙広域探査を行い、宇宙の膨張史や遠方銀河観測を行い、暗黒エネルギーの性質を調べる研究、暗黒物質の分布の解明、初期宇宙での銀河構造の形成の研究を行うことができる。このような背景のもと、本基盤研究は、VWFIの概念設計(いわゆるフェーズA)に必要とされる要素技術の開発を行うことを目的としている。この成果に基づき、日米協力によるVWFIのプロジェクトとしての立ち上げに進み、これまでにない広視野・高解像度での宇宙の探査観測を行う予定であった。 平成18度は、宇宙用超広視野カメラVery Wide Field Image(VWFI)の概念設計(いわゆるフェーズAレベル)を全体的に進め、とくに、以下の項目の研究を重点的に行なった。(1)宇宙用大型フィルター・シャッター駆動機構は、これまでにない大きな宇宙望遠鏡用の交換機構メカニズムとなるが、機構案2種のトレードオフを行い、最も有望は1方式について実機試作を行った。(2)大型赤外フィルターの試作と光学特性試験を行った。(3)59個の2kx2k素子モザイクカメラへの適用を意識した超ローノイズ・低消費電力・小形アナログ電気系の検討:アナログ電気系の開発では、すばる望遠鏡主焦点カメラ用モザイクカメラの技術を基礎とし、宇宙用を考慮した低消費電力・小形のアナログ回路の設計を行った。(4)CCDをHgCdTeに置き換え、観測波長を1.7ミクロンまで延ばす長波長(近赤外)オプションの検討を行った。(5)ASTRO-Eで使用された冷凍機の低擾乱化のための基本測定を実施した。 なおNASA長官の決定により、米国におけるHOP計画は終了したが、宇宙からの超広視野深宇宙観測の科学的重要性は変わらず、本研究の成果は、今後の同種ミッション生かされる。
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