2009 Fiscal Year Annual Research Report
B中間子のフレーバー変換中性カレント崩壊の精密測定
Project/Area Number |
18204019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相原 博昭 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (60167773)
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Keywords | 素粒子物理 / Bファクトリー / B中間子 |
Research Abstract |
平成21年度は、KEKBファクトリーで生成されたB中間子反B中間子ペア6.57億個のデータを用いて、フレーバー変換中性カレント(Flavor Changing Neutral Current)反応B->Xs 1+1-(Xsはストレンジクォークを含むハドロン系、1は、電子またはミュオン)の精密測定を行った。この反応モードは、標準理論においては摂動計算の一次で禁止されており、したがって、標準理論を越える新しい物理探索のプローブとして最適である。本解析においては、Xsとして、荷電あるいは中性K中間子と4つまでのパイ中間子(ただし、中性中間子は多くて1個だけ)からなる終状態をすべて含む。 これにより、終状態のハドロン形成における強い相互作用の不定性が避けられので、超対称性など新現象への感度が高くすることができる。結果は、 Br(B→X_se^+e^-)=(4.59±1.15(stat.)^<+0.56>_<-0.51>(syst.))×10^<-6>,Br(B→X_sμ^+μ^-)=(1.91±1.02(stat.)^<+0.15>_<-0.14>(syst.))×10^<-6>. であり、標準理論の予想値と誤差の範囲で一致している。また、Xsおよび1+1-の不変質量の関数として微分分岐比も測定した。が、いずれも、標準理論からのズレは検出していない。これらの結果から、いくつかの理論モデルに制限を与えた。
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Research Products
(2 results)