2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 正健 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (80213833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 隆 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (60361656)
森井 亙 京都大学, 防災研究所, 助手 (30221633)
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Keywords | 重力波 / 一般相対論 / 宇宙物理 / レーザー干渉計 / 低温ミラー |
Research Abstract |
本研究は、基線長100mの神岡レーザー干渉計CLI0に、観測装置として必須であるデータ収録・解析装置を組み込み、天の川銀河内で発生する重力波イベントをとらえるために長時間連続観測を行うことを目標とする。人的活動に起因する外来雑音も小さな地下環境では、地表検出器には不可能と思われる良質なデータが蓄積できることが最大のメリットである。非常に微弱な重力波イベントは、通常は地面振動などの様々な雑音にかき消されたり、またはパルス状の外来雑音と区別できないからである。 平成18年度は、主にレーザー干渉計の感度向上を行った。具体的には、ミラー懸架系の改良、制御回路の低雑音化、光学部品の高性能化などを行い、結果として世界のレーザー干渉計型重力波検出器と同レベルに達した。特に10Hz近辺の周波数帯域では、他より2桁程度高い感度を実現している。これは実際の重力波観測においても非常に重要なことである。地下の静かさは、CLIOに併設された地球物理観測用レーザー伸縮計の記録を見ても明らかであり、あらためて地下環境が重力波観測に適していることが実証されたことになる。 一方、データ取得装置については、大容量ハードディスクを活用したシステムが組みあがり、短期のテスト観測が可能となった。1週間程度のテスト観測を繰り返して問題点をフィードバックすることにより、重力波観測に必要なサブシステムも順次整備されてゆく予定である。重力波観測時には、レーザー伸縮計が持つ環境データも活用するので、両観測装置の取得データの格納法について検討を始めた。
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