2006 Fiscal Year Annual Research Report
超強力永久磁石の開発とその応用、特にリニアーコライダーと中性子光学への新展開
Project/Area Number |
18204023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩下 芳久 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00144387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹尾 登 京都大学, 理学研究科, 教授 (10115850)
熊田 雅之 放射線医学総合研究所, 加速器物理工学研究部, 主任研究員 (50044748)
横谷 馨 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (40141973)
清水 裕彦 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50249900)
田内 利明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20154726)
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Keywords | 超強力永久磁石 / 改良型Halbach配列 / 四極磁石 / 六極磁石 / 多極磁石 / リニアーコライダー / 最終集束レンズ / 冷中性子 |
Research Abstract |
今年度は、可変型永久四極磁石の軸方向分布測定、精密磁場測定装置の製作、六極磁石の試作及びその性能評価を行った。精密磁場測定装置については、ほぼ基本パーツが納入され、現在、調整中である。おおまかには、被測定磁石の駆動台、それを載せる架台、ローテーションコイル、ローテーションコイル回転機構、コイル電圧プリアンプ、回転部から湖底部への信号伝送系、電気信号処理系、PCからなるデータ処理系である。被測定磁石の駆動台はパルスモーターで駆動するように変更した。ローテーションコイルは温度の影響を最小限にするため、線膨張係数の小さな石英ガラス棒を使用し、その表面にワンターンコイルが形成されたフレキシブルプリント基板を貼り付けた構造である。これら全体を統括する測定制御ソフトは19年度に製作し、測定システム全体の性能評価を行う予定である。 六極磁石は1/2スケールモデルができあがっていて、磁場強度変化および、トルクの角度依存性の測定が終わっている。結果はシミュレーションのそれとほぼ矛盾無い値になっている。その結果を受けて、外輪を回転させるための機構を検討した。種々のアイデアの中から、まずはもっとも簡単なフライホイールを用いて正逆に変化するその大きなトルクに対抗することにし、外輪を回転させるジグの製作を行った。また、モーターの選定も終わって、その取り付けジグを使って組立調整中である。 ILCについては、GDEの参加発表を通して、急速に進展する状況把握と、それに対応する当該研究課題での研究の指針を得た。永久磁石は六極以上では超伝導磁石によるそれよりも強力に出来る。ILCではビームの中心からかなり離れた軌道を通る成分の処理が肝要になる。これには八極磁石を用いてtail foldingを行うことが有効であり、超伝導電磁石よりも永久磁石の方がコストパフォーマンスに優れているので、これも今後の研究課題に加えることにした。
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