2006 Fiscal Year Annual Research Report
Gauge-Higgs Unification の新たな展開
Project/Area Number |
18204024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 青司 神戸大学, 理学部, 教授 (80201870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 武夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20012487)
坂井 典佑 東京工業大学, 理学部, 教授 (80108448)
細谷 裕 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50324744)
坂本 眞人 神戸大学, 理学部, 助手 (30183817)
川村 嘉春 信州大学, 理学部, 教授 (10224859)
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Keywords | Gauge-Higgs unification / 階層性問題 / 標準模型を越える物理 |
Research Abstract |
アインシュタインがその後半生に重力とゲージ相互作用の統一場理論の構築を試みた事は良く知られているが、現在ではHiggs粒子による新たな相互作用の存在が知られており、Higgs相互作用とゲージ相互作用という、やはりスピンが1だけ違うボゾンによる相互作用の統一理論を考えることは興味深い。こうしたGauge-Higgs Unificationは、素粒子理論の大問題である「階層性問題」の超対称性を用いない新たな解法を与えるという意味でも大変興味深い。当該研究の目的は、こうした新しい素粒子理論の方向性を与えうるGauge-Higgs Unificationについて、素粒子の真の現実的模型となり得るために必要な諸問題の解決を目指すこと、このシナリオの可能な拡張、また、このシナリオの新側面への展開を図って行くことである。 今年度、当該グループは様々な研究成果を得たが、研究代表者に限ると以下の様な具体的研究成果が得られた: 1.S^2球面上にコンパクト化したGauge-Higgs unificationモデルの解析。 S^2球面は従来考えられて来たS^1の場合と違い単連結空間なので、Wilson loopが自明に成り、その為にHiggs質量への量子補正は発散しないだけでなく正確に消えることを示した(hep-th/0605180)。 2.Gauge-Higgs unificationシナリオにおけるS、Tパラメターの解析 Gauge-Higgs unificationシナリオ特有な予言として、Peskin-Takeuchiの電弱パラメターS、Tを解析した。Gauge-Higgs unificationのような高次元理論は一般に繰りこみ可能ではなく、次元が高くなるとS、Tパラメターは発散して予言できなくなると思われるが、Gauge-Higgs unificationでは高次元的なゲージ対称性の為に時空が5次元の時は勿論、6次元の場合でもS、Tのある線形結合については有限の意味ある予言値が得られることを指摘した(hep-ph/0703017、Phys.Rev.に掲載決定)。
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Research Products
(6 results)