2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204028
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (60111580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池沢 道男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30312797)
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Keywords | InP / 量子ドット / 励起子 / 荷電励起子 / スピン偏極 / 円偏光度 / 励起子微細構造 / チャージチューナブル |
Research Abstract |
<チャージチューナブルInP量子ドットにおけるスピン偏極> 直線偏光による準共鳴励起の下で、量子ドット中の励起状態にアップ・ダウンスピンを等量生成し基底状態からの発光の円偏光度を検出することで量子ドットの励起子のスピン偏極と微細構造準位を明らかにした。チャージチューナブルInP量子ドットでは、電圧を印加することでドット内の電子の数を操作する事ができる。量子ドット中に電子が1つドープされている時には磁場の増加とともに円偏光度が単調に変化しており、これは残留電子のゼーマン準位間の熱平衡にともなうスピン偏極と荷電励起子形成時の正孔のスピン偏極、活性な荷電励起子準位間の熱平衡化により理解できるであろう。また、量子ドット中に電子が2つドープされている時にも磁場の向きに合わせて円偏光度が単調に変化しており、これは光励起された電子と正孔対がそれぞれゼーマン準位間で相関をもちながら熱平衡化することにより理解できる。これとは対照的に中性の時では円偏光度が1.5Tと2.5T付近に極値を持ち変化する。この2つのピークは横磁場下では現れず、縦磁場成分が大きくなるにつれて表れるようになる。また温度を上げていくとこの2つのピークは失われていく。これらの事からこの振る舞いは光学的に不活性と活性な励起子のゼーマン準位が交差・反交差することによると考えられる。2つの異なる励起子の準位がエネルギー的に近くなると寿命が長いので分布が多くなる不活性励起子が右回りまたは左回り円偏光を発する活性励起子と混ざり発光するようになるからである。またこの2つのピーク間隔よりInP量子ドットにおけるホールのg因子を1.02と求められる。
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