2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18204029
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家 泰弘 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (30125984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 彰 東京大学, 物性研究所, 助教 (20260515)
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Keywords | 量子ホール効果 / GaAs / AlGaAs / 抵抗検出核磁気共鳴 / アンチドット / アハロノフ・ボーム効果 / 平面超格子 / エッジチャンネル / スピン分裂 |
Research Abstract |
メゾスコピック超伝導/磁性体ハイブリッド構造を用いて,空間変調磁場下の超伝導ネットワークの相転移のふるまいを調べた。単位胞あたりの平均磁束が1/2となる外部磁場のもとでは,いわゆるfully frustrated XYモデルに対応する状況が出現する。この場合,臨界点近傍ではアンチフェーズ,ドメインの境界に生ずるキンク,反キンク対の解離が引き金となって超伝導転移を引き起こし,Kosterlitz-Thouless転移に似たふるまいをすることがすことが理論的に予想されていた。実験では臨界点近傍で電流電圧特性(1-V特性)を詳細に調べ,そのべき指数の温度変化がキンク,反キンクの解離のふるまいと一致する結果を得た。 GaAs/AlGaAs2次元正孔系の高次ランダウ準位が関わる量子ホール領域において,抵抗の顕著な異方性を見いだし,面内磁場の効果や温度依存性などを詳しく調べた。2次元電子系において見いだされている類似の効果との比較にもとづき,この現象がストライプ相と呼ばれる1次元的な電子密度の変調構造の出現を反映したものであると結論した。この論文はJ.Phys.Soc.Jpn.のEditor'sChoice(注目論文)に選ばれた。 少数アンチドット系の量子ホール遷移領域におけるアハラノフ,ボーム型振動をさまざまなランダウ準位占有率において磁場およびゲート電圧依存性を詳細に測定し,その特徴を明らかにした。特に,ゲート電圧依存性(フェルミ準位依存性)に温度依存するスクリーニング効果が効いていることを実証した。
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