2007 Fiscal Year Annual Research Report
量子縮退イッテルビウム原子気体の物理:多様性の新展開
Project/Area Number |
18204035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 義朗 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (40226907)
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Keywords | 量子縮退 / イッテルビウム / フェルミ縮退 / BEC / レーザー冷却 |
Research Abstract |
今年度は、まず、これまでに生成していた174Yb原子のボース・アインシュタイン凝縮体と173Yb原子のフェルミ縮退の混合について、トラップポテンシャルの強度を時間的に変化させることにより174Yb原子のボース・アインシュタイン凝縮体に対して4重極振動を誘起して、その原子間相互作用の詳細を調べた。その結果、173Yb原子フェルミ原子を混合した場合には、わずかな振動周波数の差を検出することに成功した。現在は、理論的にこの現象を説明することを試みている。 さらに、光Feshbach共鳴の可能性についても理論計算により定量的に評価した。スピン禁制の異重項間遷移を用いることにより、非常に大きい効果が得られることを明らかにしたが、特に興味深い系として、異種フェルミオン171Yb-173Yb間の場合について計算し、スピン自由度を持った新しいボース・アインシュタイン凝縮-バーデイーン・クーパー・シュリーファー状態のクロスオーバーの系となりうることを見出した。さらに、ボソンとフェルミオンからなるフェルミ分子についても、2光子photo-association法、いわゆる光会合法、による生成法を詳細に検討した。 また、超狭線幅遷移を利用した量子気体の高分解能レーザー分光にも成功した。1SO-3PO遷移(578nm)では、ボース・アインシュタイン凝縮体に対しても高分解能分光を行い、その平均場相互作用を明らかにした。また、1SO-3P2遷移(507nm)に対しても、ボース・アインシュタイン凝縮体の励起に成功し、その平均場相互作用を明らかにした。
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