2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Anisotropic Dynamics for the enhancement and self-oscillation of ice growth induced by biological macromolecules
Project/Area Number |
18204036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
FURUKAWA Yoshinori Hokkaido University, 低温科学研究所, 教授 (20113623)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Keywords | 氷結晶 / 生体高分子 / 結晶成長 / 不凍タンパク質 / 自励振動 / 吸着 |
Research Abstract |
氷結晶の成長を抑制する機能を持つ凍結抑制タンパク質(糖鎖を持つものをAntifreeze glycoprotein(AFGP)、動したりする。これは、成長界面に吸着したタンパク質分子による結晶成長カイネティクスの改変と、結晶成長に伴い界面で排斥されたタンパク質分子の挙動(拡散や分配)とが、非線形的に相互作用することに起因する。さらに、同じ分子であっても、結晶の面方位ごとにその作用が異なる(異方性)。このような現象は、アミノ酸やタンパク質など、いわゆるマクロサイズの生体高分子が添加物として作用する場合に極めて特徴的に現れる新しい物理現象で、塩などの無機の小分子が添加物である場合には決して観察されない。 本研究では、結晶が成長しつつある動的状態での界面吸着状態にあるタンパク質分子のコンフォメーションや結晶成長過程などのその場測定を行う。さらに、理論的考察や計算機シミュレーションとも共同し、凍結抑制タンパク質の不純物効果が氷結晶の異方的成長カイネティクスに与える効果を解明し、「マクロ分子の関与した新しい結晶成長機構モデルの構築」を目指す。さらに、氷の凍結を抑制するタンパク質を研究試料として用いることから、生体の耐凍結・耐寒冷戦略のメカニズム解明を物理的手法で目指すという生命科学的役割も果たす。
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