2009 Fiscal Year Annual Research Report
最新の全球大気再解析データを活用した対流圏循環の形成と変動に関する総合的研究
Project/Area Number |
18204044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 尚 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10251406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向川 均 京都大学, 防災研究所, 教授 (20261349)
廣岡 俊彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90253393)
谷本 陽一 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (00291568)
本田 明治 新潟大学, 理学部, 准教授 (20371742)
高藪 縁 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10197212)
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Keywords | 大気再解析データ / 予測可能性 / 力学モード / 海洋前線帯 / ストームトラック / 成層圏突然昇温 / 海氷変動 / 台風・熱帯低気圧 |
Research Abstract |
・気象庁長期再解析(JRA-25)データに基づき,小笠原高気圧の勢力に影響する「シルクロード・パターン」が,アジアジェット上の定常ロスビー波という既知の特性に加え,ジェットから位置エネルギーを効率的に変換して循環偏差を維持し,かつ運動エネルギーの損失が最少となるよう地理的位相が決まる力学モードとしての特性を有することを見出した. ・秋季の北極海の海氷変動が日本を含むユーラシア各地に異常寒波をもたらす可能性をJRA-25と数値実験で確認した. ・JRA-25/JCDAS再解析データ及び気象庁1ヶ月アンサンブル予報データを用いた解析により,北半球冬季で顕著な惑星波の下方伝播の強さの成層圏の波動反射面の形成に依存すること,2009年1月の成層圏大規模突然昇温の予測可能期間が5日程であり,その予測にはアラスカ近辺のブロッキング現象と引き続くシベリア上空の西風蛇行が重要なことを示した. ・JRA-25と船舶観測資料の解析から,黒潮・黒潮続流からの膨大な熱供給を反映して寒候期に海面気圧が極小となる傾向を見出した. ・理想化数値実験やJRA-25の解析から,中緯度海洋前線帯における海洋からの熱供給の強い南北差が,大気か沿うん傾圧性を維持し,ストームトラックや偏西風ジェット,およびそれらの卓越変動に果たす本質的役割を明示した. ・エルニーニョ発達期では,熱帯季節内振動(MJO)に伴い赤道域に発達する西風バーストが海洋Kelvin波を励起して水温を上げるよう働く一方,ENSOのその他の位相ではMJOに伴う貿易風強化が逆に水温を下げる方向に働くことが分った ・米軍の航空機観測データを用いた伊勢湾台風の再現実験で,台風の構造や温帯低気圧化の過程が翌表現だれる事を確認した.
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Research Products
(39 results)