2007 Fiscal Year Annual Research Report
微惑星・隕石の初期海洋衝突による生体有機分子生成の可能性
Project/Area Number |
18204049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
掛川 武 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60250669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長瀬 敏郎 東北大学, 学術資源研究公開センター, 准教授 (10237521)
中沢 弘基 (独)物質・材料研究機構, 物質研究所, フェロー (80333780)
関根 利守 (独)物質・材料研究機構, 物質研究所, 主席研究員 (70343829)
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Keywords | 衝撃波 / インパクトプルーム / 煙微粒子 / アミノ酸 / アミノ酸重合 / 初期海洋 / LC-MS |
Research Abstract |
本研究課題では、微惑星・隕石の初期海洋衝突イベントを再現する実験を行い、各種鉱物を用いてアミノ酸・核酸などの生体有機分子が生成され、それが重合し生命起源に結びついた可能性を実証することを主目的にしている。この目的を果たすために(A)衝撃波実験による衝撃シミュレーション、(B)ポスト・インパクトプルームを想定したガス・固相反応実験、(C)海洋に濃集した生体有機分子(特にアミノ酸)の重合実験を行った。(A)では、昨年度成功した煙微粒子生成の成果がEPSLに出版された。それに加え生成困難とされる蛇紋石が隕石-海洋衝突時に簡単に生成されることを実証した。インパクトプルーム内部や初期海洋に、こうした粘土鉱物が氾濫していたことを示す実験であった。また宇宙空間から初期地球へ水を運搬する役割を蛇紋石が果たしたとする仮説を実証したことにもなる。その成果は国際学会で公表されたと同時に国際雑誌EPSLに投稿された。(B)の実験では、本研究課題で購入されたLC-MSを用いてアミノ酸が生成されることを世界で初めて実証した。その成果はNature誌に投稿中である。(C)の成果(特にグリシンに関して)の一部はOrigin of Life and Evolution of Biosphereに出版された。それに加え、ヴァリンやアスパラギン酸に関しても同様の実験を行い、本研究で想定している環境がアミノ酸重合に適し、ヴァリンでは3量体、アスパラギン酸では4量体まで重合していることを証明した。いずれの成果も世界初の成果である。(649字)
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Research Products
(26 results)