2008 Fiscal Year Annual Research Report
微惑星・隕石の初期海洋衝突による生体有機分子生成の可能性
Project/Area Number |
18204049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
掛川 武 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60250669)
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Keywords | 衝撃波 / インパクトプルーム / 煙微粒子 / アミノ酸 / アミノ酸重合 / 初期海洋 / LC-MS |
Research Abstract |
本研究課題では、微惑星・隕石の初期海洋衝突イベントを再現する実験を行い、各種鉱物を用いてアミノ酸・核酸などの生体有機分子が生成され、それが重合し生命起源に結びついた可能性を実証することを主目的にしている。本年度が最終年度である。この目的を果たすために(A)衝撃波実験による衝撃シミュレーション、(B)ポスト・インパクトプルームを想定したガス・固相反応実験、(C)海洋に濃集した生体有機分子(特にアミノ酸)の重合実験を行った。(A)では、昨年度に引き続き、蛇紋石が隕石-海洋衝突時に簡単に生成される追試を行いその成果は国際学会で公表されたと同時に国際雑誌に投稿され査読中である。(B)の実験では、LC-MSとGC-MSを駆使して衝撃環境でアミノ酸が生成されることを世界で初めて実証した。その成果はNature Geoscience誌に出版された。それと同時に生命起源に関する新説を提唱するに至った。その後の国際的な反響はきわめて高く、国際的なメディアに大きく報道された。NHKスペシャルでも大々的に報道されるなど国内の反響も絶大であった。(C)の研究では、ヴァリンやメチオニンもしくは混合系に関しても同様の実験を行い、本研究で想定している環境がアミノ酸重合に適し、ヴァリンでは5量体、メチオニンでは3量体まで重合していることを証明した。特に混合系では重合されやすさが格段に進歩することを見いだした。いずれの成果も世界初の成果である。
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Research Products
(31 results)