2008 Fiscal Year Self-evaluation Report
Researches in geochemical cycle using stable and radiogenic Isotope variations of REE
Project/Area Number |
18204053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Geochemistry/Astrochemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
TANAKA Tsuyoshi Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (00236605)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Keywords | 同位体 / 希土類元素 / 同位体質量分別 / 放射壊変 / 地球科学サイクル |
Research Abstract |
希土類元素存在度パターンは、地球惑星科学の研究全体で広く重用される地球化学的ツールの一つである。希土類元素存在度パターンの解析により、マグマ作用であるいは水圏で何が起こったか? について概略の地球惑星科学的情報を読み取る事ができる。いつ事が起こったか? については希土類元素存在度パターン(Sm/Nd比)に^(147)Sm-^(143)Nd放射壊変系を併用する事により読み取る事が可能になった。さらに望まれるのは、酸化・還元に代表されるどのような環境場で起こったか?についての情報である。セリウムは、3価の希土類元素の中で唯一4価をとる。4価の存在状態は地質資料の中にセリウムの存在度異常として記録されている。セリウムの存在度異常が生じた時は、申請者らによって開発・発展させてきた^(138)La-^(138)Ce放射壊変系を^(147)Sm-^(143)Nd放射壊変系と対比しながら用いることにより求められる。一方、ユーロピウムは3価の希土類元素の中で唯一2価をとる。2価の存在状態は、ユーロピウム異常として記録されている。申請者らにより開発が進められているダブルスパイク添加表面電離質量分析法で天然の同位体分別を精密に測定する手法が開発されたサマリウムの同位体分別度と2価を取り得るユーロピウムの同位体分別度と比較する事により、いわゆるユーロピウム異常が生じた環境を特定する。この一連の同位体研究の組み合わせにより、希土類元素存在度パターンに見られる変化が、1) いつ、2) どのような環境下で、3) 何が起こったかを示しているのか、を総合的に読み取ることが可能となる。
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