2007 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸の光化学初期過程におけるコンフォマー特異性の発見と解明
Project/Area Number |
18205003
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
江幡 孝之 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (70142924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 末廣 広島大学, 大学院・理学研究科, 特任教授 (20087505)
井口 佳哉 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30311187)
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Keywords | アミノ酸 / コンフォメーション / 超音速ジェット / 二重共鳴分光 / 赤外分光 / 水和構造 / L-チロシン |
Research Abstract |
今年度は新規に開発した超音速ジェットを用い、L-チロシンの超音速ジェットレーザー分光を行い、コンフォメーションの決定を行った。昨年行ったL-フェニルアラニンに比べL-チロシンでは、パラ位の水酸基の向きの違いによる回転異性体を考慮しなくてはならない。実験はレーザー誘起蛍光法、UV-UVホールバーニング分光法、IR-UV二重共鳴分光法を用い、分子種の選別や選別した分子種の赤外スペクトルの観測を行った。 これらの実験の結果、超音速ジェットで、まず8つのコンフォマーを分別することができた。またそれらは水酸基の向きのみが異なる4つの回転異性体に分けることができ、さらに4つのグループは、分子内水素結合をしているコンフォマーとオープンコンフォマーに分類した。並行して量子化学計算を行い最終的に観測した分子種のコンフォメーションをすべて決定することができた。 また、L-フェニルアラニンについては昨年に引き続き大きなサイズの水和クラスターの観測を試みるとともに、量子化学計算により双性イオン形成に必要な水和水分子の分子数と安定構造の計算を行った。計算結果水分子4個がカルボキシル基とアミノ基の間で橋架け構造をとった構造が一番安定な構造で、かつ双性イオン形成が最も可能な構造であると結論した。
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Research Products
(11 results)