2008 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸の光化学初期過程におけるコンフォマー特異性の発見と解明
Project/Area Number |
18205003
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
江幡 孝之 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (70142924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 佳哉 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (30311187)
|
Keywords | アミノ酸 / 機能成分子 / コンフォマー / 超音速分子線 / 二重共鳴分光 |
Research Abstract |
本年度は、以下の2つのテーマを中心に研究を行った。 (1)分子量の大きい不揮発性機能性分子の超音速分子線レーザー分光実験の展開。 アミノ酸を含む生体関連分子は、他の分子との相互作用において分子認識(キラリティー識別やサイズ選別)をする機能性分子の一つある。機能成分子は柔軟な構造を持ち多くのコンフォメーションをとるが、他の(ゲスト)分子を包接する際や自己会合するときに特定のコンフォマーが選別される。そこで、相互作用時におけるコンフォマー選別機構を解明する目的で代表的包接分子である(ジ)ベンゾ-18-クラウン-6-エーテル((D)B18C6)について,水分子を包接する際のコンフォマー選別過程を,超音速分子線レーザー分光法と量子化学計算を併用して研究した。その結果,単体ではB18C6で4種類,DB18C6で2種類あったコンフォマーが水分子を包接する際に1つのコンフォマーに集約されることを見出し、理論的にも裏付けされることを報告した。この結果は、 Phys.Chem.Chem.Phys.10(41)2008の表紙に掲載された。 (2)発色団を持たない不揮発性分子の新規質量分析装置の開発。 レーザー蒸発と真空紫外光イオン化を組み合わせた不揮発性分子の質量分析装置の開発を行った。この質量分析法は、レーザー蒸発で一度分子を中性の状態で気化しその後真空紫外光でイオン化する新規な質量分析装置であり、生体分子の質量分析法として知られているMALDIやエレクトロスプレー法に匹敵する可能性を持つ。
|
Research Products
(17 results)