2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18205011
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 哲男 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (20183030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60313326)
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Keywords | 粒子 / 電場 / 超音波 / 高速分離 / 反応速度 |
Research Abstract |
1. 粒子分離 超音波利用の粒子分離では前年度から引き続きイオン交換樹脂1粒で起きるイオン交換過程の動的評価を行い、Nernst-Planck式との比較から粒子内でのイオンの拡散係数を評価できることを明らかにした。また、ワイドボアハイドロダイナミッククロマトグラフィー(WHDC)の高速化を行い、フルオレセイン、蛍光ラベルナノ粒子などを最短0.5秒で分離できる実験系の実現に成功した。これに関連して、高速超微量試料注入装置の開発を行った。また、分離の間に反応を伴うWHDCに関する、流れと分離のシミュレーション手法を開発した。これにより、WHDCの速度論的な利用と、そこから定量的なデータを取り出すことが可能になった。 また、切り替え電場による粒子のマニピュレーションでは、単一粒子のトラジェクトリーの追跡を可能とし、計算で求めた電場との整合性を議論した。さらに、アガロースゲルを用いて分子の拡散を抑制することにより、ローダミン6Gの切り替え電場内での挙動を追跡し、予想した通りの電場が生じており、粒子だけでなく分子のマニピュレーションの可能性を得た。 2. 分離の分子過程 アイスクロマトグラフィーでは、氷表面と溶質間の相互作用を明らかにするためのモデル化を行い、当初から予想していた通り同時に2点程度の水素結合が生じていることを明らかにした。溶質が3個以上の極性基を含む場合であっても、3つ以上の水素結合が同時に生じることはなく、これは分子構造に基づく立体的制約によると考えられる。また、このような精密な議論ができるような再現性と分離能の高い固定相調整法を確立した。 イオン交換系ではX線吸収微細構造を用いて陽イオン交換樹脂中のカリウムイオンとルビジウムイオンの水和状態を解明した。バルク水中におけるこれらのイオンの水和から類推される予想に反し、前者の脱水和が進んでいることを見出した。
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Research Products
(13 results)